神楽坂のまち歩き案内板「神楽坂楽々散歩」が12月21日、リニューアルされた。
同案内板は「楽しく散策できるまちづくり」を目指すまちづくり方針の一環として、1994(平成6)年に毘沙門天前と飯田橋駅前の牛込橋の2カ所に設置。リニューアル後、案内板の名称は「新・神楽坂楽々散歩」に変更された。
「設置から26年が経過し傷みが激しくなっていたため、今回のリニューアルに至った。特に毘沙門天前の案内板は紫外線による退色が激しく、5~6年前からほとんど読み取れない状態になっていた」
そう話すのは「神楽坂 助六」3代目店主の石井要吉さん。1910(明治43)年から神楽坂に店を構える老舗を営みながら、神楽坂のまちづくりにも関わっている。案内板のリニューアルは、石井さんが所属する「神楽坂まちづくり興隆会」とNPO法人「粋なまちづくり倶楽部」が新宿区に依頼する形で実現した。
リニューアル後のデザインは芝浦工業大学教授の鈴木俊治さんが担当。大学のゼミも神楽坂をテーマにした調査・研究を行うなど、神楽坂に精通した人物として制作を任された。鈴木さんは、1994年に設置された初代「楽々散歩」を継承し、全体を新しく作成した。
「歩く人に優しい街、文化の香り高い街を目指す」という設置当時のコンセプトはそのままに、基本デザインも踏襲したリニューアルとなった。大きく変わったのは、歳月の中で変化した店舗や道路を反映したことと、神楽坂の見どころを紹介するイラストが増えたこと。気をつけた点は、それぞれ設置場所で見やすいよう、地図の向きやレイアウトを調整したことだという。
新しい案内板の完成について、石井さんは「完成した日の午後、26年前の案内板制作に携わった方がフラッと訪れて『見ましたよ』と伝えてくれた。見えなくなってしまっていた地図が、設置当時の方々にも受け入れてもらえる形でリニューアルできて良かった」と目を細める。