3月19日、神楽坂・かくれんぼ横丁のおにぎり店「わかまつ」が火災で焼失してから1年となった。
同店は、「焼きおにぎり」などが名物として多くに人たちに愛されていた老舗。1年前の3月19日の火災により同店と隣の飲食店「馳走 紺屋」、アパートなどが全焼し、現在は跡地に新たなテナントビルの建設が進んでいる。
向かいに店を構える天ぷらの有名店「天考」店主の新井さんは、火災当時を「9日間連続で乾燥注意報が出ていて、ビル風も強い日だった。消防が駆けつける前に近隣の住民らで消火活動も行ったがあっという間に燃え広がった」と振り返る。
今年も3月7日に、神楽坂下に近い神楽小路で飲食店の火災が発生。神楽坂を管轄する牛込消防署の担当者は「(神楽坂エリアは)管轄内に12カ所ある『消防活動困難区域』に指定している。消防車が入れない細い路地での火災は消火活動が非常に困難で、周囲へ燃え移る可能性も高く危険」と話す。大きな車両が入れない路地での消火活動には、地元住民や在勤者で結成した消防団の小型ポンプ車を有効に使用しているとも。
神楽坂は地盤が強固な場所として知られ、1923年の関東大震災時にも関東ローム層の高台に位置する関係でほとんど倒壊家屋がなく、火災も免れたエリア。そのおかげで江戸情緒や昭和の風情を感じさせる古い街並みが長らくそのまま残ることとなったが、一方で現在の消防や建築関連の法律に適さない細い路地や、古い木造建築が密集する場所があるなど、「火災」には弱いとされるエリアでもある。東京都都市整備局が発表している地域危険度測定調査の結果でも、同エリアは「建物倒壊、火災、避難すべてに注意すべき町」となっている。
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