神楽坂の料飲店や酒販店で6月17日より、ご当地ビール「神楽坂ビール」が発売される。企画したのは、若宮町在住で外資系企業に勤務する伊東宏祐さん。
3年ほど前からご当地ビールの構想を練っていたという伊東さんは、故・田中角栄元首相や王貞治さんなど各界の著名人もひいきにしていた料亭「吉野」の孫として幼いころから神楽坂に親しんできた。地域のネットワーク作りや子どもを含めた家族と地域とのつながりを作るきっかけとして、自身の子どもが通う小学校の保護者仲間らと「神楽坂ビール合同会社」を設立した。
「神楽坂には、『神楽坂』の名を冠した甘酒や焼酎、梅酒、日本酒、ワインはあったがビールは無かった。自分がビール好きというのもあるが、昭和の古きよき時代をターゲットにしているので、その時代の人にはまるのもビールだと思った」と伊東さん。50~60代をメーンターゲットに、原材料の麦芽やホップにこだわり、天然水・天然酵母を使用した「神楽坂ビール」が誕生した。
発売するのは3種類。神楽坂の路地に多い野良猫にちなんだ「DORA」「MIKE」「KURO」と名付け、DORA=ビール酵母が豊富で麦芽風味が香ばしくアルコール分高め(7%)のボックスタイル、MIKE=シャープでクリアな味わいで、くせがなくのどごしもさわやかなピルスナースタイル、KURO=ローストした麦芽の香ばしさとコクが特長のデュンケルスタイルと、それぞれの印象に合わせた味とネーミングになっている。
ラベルには神楽坂で古くから親しまれテレビドラマなどにも登場する善國寺の「毘沙門様」をシンボルマスコットに、背景には路地の石畳を取り入れ昭和ロマンをイメージしたデザインを採用した。
現在は神楽坂の料飲店などから「少しずつ引き合いが来ている」(同)といい、取扱店30店舗を目標に月900本の売り上げを目指す。「売り上げを10倍にするよりも10年続けていくことに命題がある。じわじわと息の長い商品にしていければ」とも。7月に開催される「神楽坂まつり」への出店も予定している。
希望小売価格は各550円。