NPO法人日本グッド・トイ委員会(新宿区四谷4)は9月16日、同法人が運営する東京おもちゃ美術館(同、TEL 03-5367-9601)で「グッド・トイ2009」の発表と選定証授与式を行った。
優良なおもちゃ選びの指針となることを目指した「グッド・トイ」選考制度は1987年にスタート。市場にあふれる玩具の中から、子どもたちが学び、生きる力を身につけることにつながる「グッド・トイ」を選び普及させることは、同法人の主要事業のひとつ。「おもちゃ美術館」オープンという節目となった今年は、選考制度のリニューアルを行い、一般来場者による投票という新たな選考方法も導入した。
選考の前提は「市販」の玩具であることで、選考基準には3つの方針と6つのポイントを設定している。安全性への配慮がなされた「健全なおもちゃ」、流行を求めた一過性の楽しさだけではなくロングセラーの可能性を持つ「ロングセラーおもちゃ」、ユニバーサルな遊びとコミュニケーションを尊重した「遊び・コミュニケーション尊重おもちゃ」の3つの方針に加え、「心地よい音」「動きのバリエーション」「感触のよさ」「適度な大きさと重さ」「美しい色と形」「丈夫で壊れにくい」の6つのポイントをもとに選考を行う。
今回の応募総数は、おもちゃコンサルタントが調査した推薦玩具45点と玩具メーカーや玩具作家・デザイナーなどからの自薦玩具76点を合わせた121点。おもちゃコンサルタントや専門家らによる書類選考や、同館内で開催し800人以上が参加したファミリー選考会での投票と実際の遊び方の検討を踏まえ、全国のおもちゃコンサルタントらによる1日がかりの最終選考会を実施。約3カ月にも及ぶ厳正な選考の末、「グッド・トイ」11点を選定した。
選考運営委員長の保坂吉則さんは「今回の選考の大きな特徴は、ベーシックで質の高い木のおもちゃ、新しい時代を感じる新奇なデザインのプラスチックおもちゃ、優れた手仕事を促すエージレスおもちゃ、文具・家具などの新たな分野からの頼もしい参入」と説明する。
選定した玩具は同館で常設展示を行い、11月に発行を予定している雑誌「おもちゃで遊ぼう」に解説付きで掲載。玩具選びの目安となる「グッド・トイ」マークを商品のパッケージやパンフレットに使用することが可能となるほか、全国各地で開催を予定しているグッド・トイ展示会で披露される。