草間彌生美術館(新宿区弁天町)で3月3日、企画展「心の中の詩」が始まった。同展は、草間彌生さんが70年以上前に制作した作品や日本初公開・世界初公開作品を含む旧作から新作までを展示する。草間さんは1929(昭和4)年生まれの前衛芸術家で、新宿区名誉区民でもある。
現存する数少ない草間さんの日本画作品「残夢」は、種苗業を営む生家が所有する採取場の記憶を元に描いたという初期の大作。1993(平成5)年に制作された世界初公開作品「山を行く」などから、草間さんの歩みを振り返る。
2000年代以降、草間さんが積極的に取り組んでいるという、部屋全体を用いたインスタレーションの一つ「I’m Here, but Nothing」は、草間さんの幻覚体験から着想を得た作品。ブラックライトで発光する水玉に覆いつくされた部屋の中に入り、日常の現実と内面のイメージが統合された草間さんの世界観を追体験する。
幼少期の幻覚体験や、心の中のビジョンを創作の原点としている草間さんの作品は、無限の想像力や内的イメージに目を向けたシュルレアリスム(超現実主義)と交差する要素を見出せるという。
開館時間は11時~17時30分。月曜・火曜・水曜休館(祝日は除く)。観覧料は、一般=1,100円、小中学生=600円。入場は各回90分の定員制。チケットは同館サイトで事前購入が必要。8月28日まで。