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九段下「寿司政」が160周年 継承されるすしへの思い

店内風景とすし職人

店内風景とすし職人

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 九段下に店を構える「寿司政」(千代田区九段南1、TEL 03-3261-0621)が創業160周年を迎えた。1861(文久元)年の創業当時は「寿司好」の屋号で、初代は日本橋で屋台を引いていたという。1923(大正12)年の震災後に当時店のあった神田三崎町から移転し、現在の九段下に店を構えた。

店の外観とすし職人

 「寿司政には代々継承してきた味がある。震災や戦争で大変な時期があったが、何事にも妥協しなかった歴代職人が寿司政の店と味を守り通してくれた」と話すのは、5代目店主の戸割正大(とばりまさひろ)さん。長い歴史の中で著名人をはじめ多くの客から支持を得てきた同店は、作家の山口瞳さんに「寿司政は職人が代わっても味が変わらない」と言われたこともあるという。卵焼きからおぼろ、穴子の煮方など、すし全般にわたってその継承は続いている。

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 「近年は世の多くのすしの味がかなり変わってきているように感じる。ガリでも、私どもからするとかなり甘く感じる。寿司政のガリは酸っぱめで、すしの味を引き立てつなげる役目をさせている。もちろんすしの命は何といっても、生きのいい鮮魚をどう生かすかに懸かっている。煮物や〆物も含め、新鮮な仕入れができて初めて、昔から伝えられてきた仕事が生きる。そんな素材と赤酢を使った握りが、寿司政のすし」と話す。

 160年の歴史を紡ぐ同店だが、すしへの思いは変わらない。「すしとは、しゃっちほこばらずに(緊張せず)召し上がるものだと私どもは考えている。4代目、5代目店主を中心に、寿司政を守ってきた皆でお待ちしています」と笑顔を見せる。

 営業時間は、平日=11時30分~14時・17時30分~23時、土曜・日曜・祝日=11時30分~14時・17時~21時(緊急事態宣言期間中は全日20時まで)。