金継ぎマッチングプラットフォーム「つぐつぐ」を運営するkNotPerfect(中央区)が12月~1月の2カ月間、四谷の「穏の座(おんのざ)」(新宿区荒木町)で限定開講している。期間中、13回開講。好きなタイミングで受講でき、最低5~6回で1つの器を修理できるという。
講師の俣野由季さんは2年前、思い出の器を洗っている時に不注意で割ってしまった際、ネットで「器の修理」を検索したのが金継ぎとの出合いだったという。「金継ぎの見た目の美しさだけでなく、割れや欠けなどの傷を芸術にする日本独自の逆転の発想を、外国人に教えてもらったのがきっかけ」と振り返る。そこから金継ぎに夢中になり、8カ月で免状を取得し、約1年で金継ぎ専門の会社を立ち上げた。
自宅でできる金継ぎキット「つぐキット」のオンライン販売を中心に活動し、1人で金継ぎを楽しめるサポートしていたが、「ちゃんと金継ぎできているか不安で直接器を見てほしい」「きちんと習いたい」というニーズが多いと感じた俣野さん。来年2月から金継ぎ教室も開く金継ぎ専門店を広尾・恵比寿エリアにオープンすることにしたが、それまでの年末年始に、自宅にある割れたり欠けたりした器を全部金継ぎして新年を迎えたい人を対象に、同店の座敷を借りて教室を始めたという。
俣野さんは「金継ぎを知らない人はまだまだ多く、思い出の器が割れたら泣く泣く捨てたり、大切すぎて捨てられず部屋の奥にずっとしまっていたりするような人は多いと思う。金継ぎによって、割れた器が新たなお気に入りになって、ずっと使い続けていけるという選択肢があることを、もっと多くの人に知ってほしい」と話す。「伝統的な金継ぎは食器にも安心してできる反面、手間暇がかかり、簡単というわけではない。自分の大切な器と向き合い、ゆっくりと自分の手で直していく時間も楽しんでもらいながら、人の心もつないでいきたい」とも。
開講日は火曜・木曜の14時15分~15時45分。入会金無料、1講座(90分)5,000円(初回のみ2,000円)。1月28日まで。