旺文社(新宿区横寺町)は4月21日、生涯学習検定センターが「2008年度第2回 実用日本語 語彙(ごい)力検定」の受検者に対して実施した「第6回 ことばに関するアンケート」の結果を発表した。
同社が検定試験の実施を目的に設立した生涯学習検定センターでは、国語・数学・英語の主要3教科の基礎的な知識、技能を問う「生涯学習三検定(語彙力検定・計算力検定・英単語検定)」を2000年から実施。これまでに34万人の小・中・高校生が受検している。語彙力検定では、「語句の意味」「類義語・対義語」「ことわざ」「漢字」など社会生活上実用性の高い語句の理解や活用について測定。小学校高学年程度の7級から高校中級程度の2級まで6段階の評価を行っている。
アンケートは、昨年11月23日~12月8日に行った同検定試験終了後に任意で実施。13,704人の受検者のうち、約8割となる10,930人が回答した。回答者内訳は、小学生=7,598人(69.5%)、中学生=2,924人(26.8%)、高校生=314人(2.9%)、その他=85人(0.8%)、無回答=9人(0.1%)。男子=5,787人(52.9%)、女子=5,107人(46.7%)、無回答=36人(0.3%)。
今回のアンケートでは、「ことばづかい」について8つの質問を用意。「男性が使う言葉と女性が使う言葉が同じだと思うか」という質問で、約7割の子どもが違うと認識しているにもかかわらず、65.6%が「男性が使う言葉」として認識している「カレーライスうまいね!」を使う女子が33.5%、78.2%が「男性が使う言葉」として認識している「おまえ、いいかげんにしろよ」を使う女子が27.6%という結果に。一方、67.1%が「男女どちらでも良い」、23.2%が「女性が使う言葉」と認識し、イントネーションによっては優しく聞こえる「今日はいい天気だね」を使う男子が5割以上という結果から、男女の言葉遣いの壁がなくなりつつあることがわかった。
アンケート結果について、同検定の宮腰賢委員長(東京学芸大学名誉教授)は「女性の若い世代では、いかにも女性らしい言葉が敬遠され、中性化する傾向がある」との見方を示す。
きれいな言葉遣いをしていると思う有名人を問う質問では、エド・はるみさんが1位に選ばれた。次いでみのもんたさん、仲間由紀恵さん、タモリ、安住紳一郎アナウンサーという結果に。
同社は、「語彙力検定」にちなみ5月1日を「語(5)彙(1)」の日として日本記念日協会に申請し、2007年に認定されている。