四谷三丁目駅近くの外苑東通り沿いに6月17日、ラーメン店「雲南米線(うんなんべいせん)」(新宿区左門町、TEL 03-3470-2218)がオープンした。経営は、有機食材宅配や外食事業などを手がける大地を守る会(千葉市)のグループ会社である東湖(港区)。
「米線」とは中国雲南省発祥の米の麺。同店では、国産米で作った「米線」を使い、地鶏や雲南ハム、干し貝柱、漢方などで仕上げた化学調味料無添加の薬膳スープを使ったライスヌードルを提供する。店舗面積は10坪。席数はカウンター13席。
大地を守る会は2005年より、食の選択で地球温暖化を防止する「フードマイレージ・キャンペーン」を展開しており、食料の輸送距離を意味する「フードマイレージ」を、100グラムのCo2=1poco(ポコ)としてメニューに表示している。
フードマイレージとは、食の生産地と消費地が近ければその数値は小さくなり、遠くなると大きくなる。大きい場合は輸送にかかわるエネルギーがより多くなるため、地球環境に負荷をかけることにつながるという概念で、農林水産省の2001年の試算によると、日本のフードマイレージは国民1人当たり世界第1位で2位以下を大きく引き離しているのが現状。「地産地消」の観点からはその数値が小さい方が望ましいとされている。同社が今年4月に自由が丘にオープンしたフードマイレージカフェ「ツチオーネ」に続き、同店でもこのシステムを導入した。
メニューは、「手千切り鶏肉とキノコの米線」(880円・2poco)、「角煮と野菜の米線」(880円・2poco)、「チャーシュー米線」(880円・2poco)、「坦々米線」(780円・2poco)、「マーラー米線」(680円・2poco)、「冷やし坦々米線」(780円・2poco)など。「焼きギョーザ」やトッピング類も取りそろえ、テークアウトも可能。
「米の消費が落ちる一方で、ラーメンは日本の国民食と呼ばれるほど日本人の生活に浸透しているが、原材料の小麦粉はほとんどが輸入。国民食のラーメンを国産の米で作り日本中に広めたいとの思いから『雲南米線』の構想が始まった」という同社。「ラーメンを通じて、消費が低迷する米の消費拡大に貢献したい」としており、今後は年内に3店舗、10年後には100店舗の展開を目指すという。
営業時間は11時30分~23時。オープン記念として今月23日まで、米線各種を半額で提供している。