和洋の文化が融合する街・神楽坂で3月1日~8日、日本の伝統芸能を集めたイベント「神楽坂 伝統芸能2009」が開催される。
明治時代に寄席や演芸場、演舞場など庶民芸能の集積地でもあり、花街でもあった神楽坂では、現在でも寄席や落語会、三味線や小唄の稽古などが盛んに行われている。今回が初の開催となる同イベントは、「古くて、新しい。坂の街のライブがはじまる!」をコンセプトに、日常生活の中で芸能が生き続ける神楽坂の街の各所でさまざまなプログラムを展開する。
会場のひとつである毘沙門天善國寺(新宿区神楽坂5)では、オープニング式典として遠州茶道宗家家元による供茶式(くちゃしき)を執り行うほか、昭和40年代以降の神楽坂を盛り上げてきた20人以上の落語家が出演する寄席を3日間で5席開く。毘沙門天住職と三遊亭金馬、古今亭菊之丞らによる神楽坂での高座の思い出を語るトークショーも予定している。
矢来能楽堂(矢来町)では、同イベントのメーンプログラムとなる舞台「日本の伝統芸能絵巻」を開催。神楽坂地区在住の人間国宝や日本を代表する伝統芸能家、神楽坂芸者衆が出演し、雅楽や能、長唄、日本舞踊などを披露する。
同イベントの実行委員会事務局で企画運営を行う粋まち(北町)の平田さんは「邦楽に触れることの少ない若い世代の人やなじみのない人に広く参加してもらい、本物に触れてもらいたい。若い人にも楽しんでもらえるような演出でお願いしているのでまずは足を運んでもらえれば」と話す。
神楽坂では毎年秋に街を挙げてのイベント「まち飛びフェスタ」を開催しているが、「(「神楽坂伝統芸能」を)春の恒例イベントにしていきたい」(同)とも。
問い合わせは同実行委員会事務局(TEL 03-6426-1728)まで。