ドールハウス工房「クラフト工房 シックパパ」(新宿区築地町)が神楽坂にオープンして、1月23日で3カ月がたつ。同工房は、ドールハウス&ミニチュア作家のシック・スカートさんが経営する。
イギリス発祥のドールハウスは、実物の12分の1以下のサイズで作られた建築物などの模型を指す。シック・スカートさんは趣味で模型作りを始めたところ、作成したジオラマ作品が各地の模型コンテストで上位入賞を繰り返し、仕事としても携わるようになった。その後ドールハウス制作に転身し、関西を主な拠点として活動してきたという。ユーチューブやオンラインサロン、対面教室などでドールハウス制作のレッスンなどを行うほか、展示会・販売会なども開く。
神楽坂の工房は工場を自分たちで改装した。「東京でも活動していたが、工房がないことから教室の生徒たちから要望が多く上がっていた。東京にようやく工房を持ててうれしさもひとしお。工場という場所柄、自由に制作できる環境を思い描く通りに整えることができた」と話す。
シック・スカートさんの作品は、あえて人形などは置かず、「リアルさを追求」したもの。「作品から思い描く物語を固定したくない」とも。ジオラマ作品制作の経験を生かし、従来のドールハウスにはなかった庭なども併せて作ることで、新しい世界観を作り上げてきたという。
教室は会員制で、現在の生徒は約70人。不定期で公開レッスンなども行い、生徒が講師になることもある。「レッスンは和気あいあい。ドールハウスという共通の接点があることで、世代を超えて人と人とがつながることができる。パーツを一から作ったり、電飾などの配線をつないだりと、回を重ねるごとにできなかったことを克服していく喜びもあるはず。好きなものを自分の手で作りたいという生徒たちの思いをくみながら、プロの技術を伝えていき、趣味を超えたレベルまで成長してもらえるように促す」とも。