「九段ヒトシズク」(千代田区九段南2、TEL 03-6272-4714)が九段南にオープンして、5月21日で2カ月がたつ。席数は、カウンター=7席、テーブル=10席。
店主の稲沢良太さんは飲食業界に携わってきたが、コロナ禍を経て独立を決めた。現在は稲沢さんを含む3人で切り盛りしている。店名は禅語の「一滴潤乾坤」(いってきけんこんをうるおす)から「一滴の水が大地を潤すのと同じように、食事を通して当店が周辺地域を潤せるようになりたい」という願いを込めた。木調の店内は「ホッとするような雰囲気」を意識してデザイン。店の入り口には山翠舎(長野県)の古木を3本あしらい、店に携わる3人を表したという。
メニューは「6種のおばんざい」(1,500円)、「季節の土鍋ごはん」(1,800円~)など。稲沢さんが福井県出身ということもあり、福井の郷土料理なども用意するという。「全国各地から食材を仕入れ、メニューは都度、変える。郷土料理であるサバのへしこなどのほか、関西のだし文化が根付いていることから、おばんざいも取り入れた」と話す。ランチは「ソースカツ丼定食」(1,000円)などの定食を提供する。日本酒や焼酎などのアルコール類も全国から仕入れ、飲み比べもできるようにする。
利用客は既にリピーターも多いという。「昼はオフィスワーカー、夜は近隣住民、というように時間帯で客層も異なる。それぞれの時間帯でニーズに合わせて料理を提供する」とも。稲沢さんは「家に帰ってきたような、落ち着いてゆっくり食事や酒を楽しめる場所として土地に根付いていければ」と笑顔で話す。
営業時間は、ランチ=11時30分~14時、ディナー=17時30分~23時。日曜・祝日定休(ランチは土曜も定休)。