神楽坂の「音楽の友ホール」(新宿区神楽坂6、TEL03-3235-2115)が4月で40周年を迎えた。経営は同所に社屋を構える「音楽之友社」。
地下に位置する同ホールは、市民に開かれた音楽の場所を提供するために「観客と演奏者が一体となれるようなホール」をコンセプトに開館し、神楽坂で数々の音楽シーンを支えてきた。音楽之友社の堀内久美雄社長は、ホール建設時の担当者だったという。
堀内社長は「音の響きを追求し、黒御影石を使うなどこだわりを詰め込んだ」と当時を振り返る。東西線の地下鉄も付近を通ることから、防音・吸音設備には細心の注意を払ったという。ホール公開後も「音の響きを調節する工程を何度も重ね、ようやく音楽評論家にも納得いただける施設となった」とも。「録音設備も豊富にそろえているので、レコーディングスタジオのような高い精度が必要となるシーンにも対応できる」と話す。
資料には正確な開館日は明記されていないが、40年の歴史の中でさまざまなことがあったという。「著名な演奏家や歌手などが舞台に立つこともあり、涙が出るほどの名演なども体験した。改めて音楽の力を感じた」と堀内社長。
現在は企画コンサートを開くほか、貸しホールとしても広く公開する。堀内社長は「これからも音楽はかけがえのないものであると伝え続ける。私たちが享受してきた『心を豊かにする音楽の力』を、より多くの方に還元していきたい。当ホールを通じて音楽を身近に感じてもらい、その良さを知ってもらえれば」と話す。