「狭山茶アイス専門店 あま茶」(千代田区富士見1)が3月11日、飯田橋にオープンした。
店主の天野晃太さんは自衛隊で約19年の勤務経験を持つ。2011(平成23)年の東日本大震災時、地元である宮城の部隊に所属していたという。天野さんは「地震発生当初から災害派遣活動を行った。自身も被災しながら活動する中で、人の温かみや食の大切さを感じた」と振り返る。飲食業界に携わりたいと決心し、タイミングや縁が重なったこともあり早期退職。飲食の専門学校で勉強を積み、飲食店での修業なども経て同店を開いたという。
幼少期から茶が好きだったという天野さんは、専門学校時代に出合った狭山茶にほれ込んだ。「狭山茶は日本三大銘茶といわれ、『色は静岡、香りは宇治よ、味は狭山でとどめさす』という言葉があるほど深い味わいが特徴。ほかの茶と異なり、自園・自製・自販をしているため、茶園ごとの違いが現れやすい」とも。店で使う茶葉は茶園「奥富園」のもの。同園では香りを強めるため、摘み取った茶葉を微発酵させる工程を踏むという。「奥富園の狭山茶本来の豊潤な味と香りを感じられるメニューを考案した結果、アイスにたどり着いた」とも。
天野さんは、震災時や奥富園との出合いから実感した「人と食のつながり」に注力した店づくりを行っていくという。「狭山茶をより多くの人に知ってもらうことで、私がこれまで人に助けられてきた『つながり』を新たに作っていければ」意気込む。
販売メニューは「狭山茶アイス」(500円)、「狭山茶緑茶ラテ」(450円)など。煎茶、ほうじ茶、和紅茶(以上300円)などの茶も提供する。そのほか、水出し茶を毎日受け取れるサブスクリプションサービスも始めた。「アイスクリームは店で手作り。出来たてならではの風味を楽しんでいただけるはず。アイスクリームと一緒に温かい茶を頂くのもお勧め」とも。
営業時間は10時30分~19時(サブスクリプション利用は8時から)。