建築をテーマにした映画祭「建築映画館2023」が2月23日~26日、飯田橋の「アンスティチュ・フランセ東京」(新宿区市谷船河原町)で開催される。
建築に関する映画をジャンルや制作国、時期にとらわれず選定し、「都市」「構造」「図面」「建築と人物」「アーカイブ」の5つのテーマに分けて上映する同映画祭。日本初上映となる作品も含まれるほか、アーティストのマン・レイの映像作品、黒沢清監督の作品など19作品を上映。フィクション映画の中の空間を建築図面に起こすなどの独自の取り組みなども行う。
実行委員会のメンバーで建築映像作家でもある瀬尾憲司さんが、オランダのロッテルダム建築映画祭に参加したことをきっかけに、「日本でも同じような取り組みがしたい」とイベントを企画した。瀬尾さんは「映画の中で建築を体験するだけでなく、映画館という建築物で集い、対話が生まれるようなイベントになればと願いを込めて『建築映画館』と名付けた。建築家の坂倉準三さんや、藤本壮介さんが携わった『アンスティチュ・フランセ』で開催することにも意義を感じている」と話す。
瀬尾さんは、建築を映像で伝えていく魅力を「時間軸を組み合わせて建築物の表情を切り取ることができる」と表現する。風にそよぐカーテンや、光と影の重なりなど、写真や文章では伝えられないディテールを届けることで、新たな視点から建築を考えるきっかけをつくるという。
映画祭初日にはオープニングイベントが行われるほか、上映と併せて建築と映画に携わるゲストを招待したトークショーも開く。
瀬尾さんは「イベントを通して、まず建築映画という切り口のジャンルがあることを知ってほしい。さまざまな視点から集めた作品や企画したトークショーなどから、思い思いの建築映画の解釈が生まれれば」と話す。
チケットは、一般=1,500円、 1,800円(トークありの回)。学生・障がい者=1,200円、 1,500円(同)。