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市谷の杜 本と活字館で「100年くらい前の本づくり」展 コラボドリンクも

「100年くらい前の本づくり」展の様子

「100年くらい前の本づくり」展の様子

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 活版印刷の技術とその魅力を伝える文化施設「市谷の杜 本と活字館」(新宿区市谷加賀町1、TEL 03-6386-0555)で現在、「100年くらい前の本づくり」展が開催されている。運営は大日本印刷(新宿区)。

市谷の杜 本と活字館 喫茶期間限定コラボメニュー

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 同展では、「改正西国立志編」などの黎明期の洋装本から、製本が機械化する昭和初期までの本を解体し、それぞれの製本方法を調べることで、日本に洋装本が定着していった過程を紹介している。和本の技術で作くられた「なんちゃって洋装本」や、米国の教科書やパンフレットで使われていた簡易製本による文芸書など、当時の製本職人が自分たちの技術と手に入る材料で試行錯誤した様子が分かる本も展示する。同社コーポレートアーカイブ室時計台運営グループリーダーの佐々木愛さんは「印刷・製本技術の進展とともに豊かになっていく装丁の表現力と合わせて、100年くらい前の本づくりの進化の過程をご覧いただければ」と話す。

 大日本印刷が収蔵する「国内初の国産洋装本」といわれてきた「改正西国立志編」は、同社の前身である秀英舎(1876=明治9年創業)が、当初和本で刊行された「西国立志編」を改めて活版で印刷し洋装本で発行したもの。活版印刷は幕末から明治にかけて日本に入ってきた技術。その時代にどうやって製本していたのか不明だったことから解体し、展示に至ったという。

 「今書店に並ぶ本や雑誌も、製造現場のいろいろな工夫や努力で生まれてきている。現在は多くが機械化されているが、製本の工程は非常に複雑で、まだまだ人の手が入る現場。本の展示は、装丁や作家・本の内容を切り口にしたものが多いが、当展は明治~昭和初期の本がどのように製造されてきたかという『ものづくり』の展示」と佐々木さん。本文のページをどのように糸でかがっているか、表紙と本体をどう接着しているかなど、本の構造が分かるよう手に取れる製本モデルも用意する。「当展をきっかけに、身近な本がどう作られているのか、という現代の印刷・製本にも興味を持っていただければ」

 1階喫茶では、製本にちなんだコラボメニューを用意している。製本で使っている接着剤の「にかわ」をイメージした「にかわソーダ」(180円)や、製本用語である「折丁(おりちょう)」と「花布(はなぎれ)」の文字をラテアートにしたドリンク「折丁抹茶ラテ」「花布カプチーノ」(以上200円)を用意する(喫茶の利用にも来館予約が必要)。

 開館時間は11時30分~20時(土曜・日曜・祝日は10時~18時)。月曜・火曜休館(5月3日は開館)。入館無料(完全予約制)。7月10日まで。

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