日本カメラ博物館(千代田区一番町、TEL 03-3261-0300)で2月・3月、「JCII(日本カメラ財団)黒白写真 暗室基礎講座」が開講される。講座内容は、フィルム現像とコンタクトシート作り、六切RC印画紙への引き伸ばしプリント作成などの暗室作業の基本的な流れ。これから黒白写真の暗室作業を始めたい人から、もう一度暗室作業を基礎から学びたい人までを対象に開く。
講師を担当するのは池本さやかさん=日本カメラ博物館で黒白写真の暗室基礎講座を開講
講師は池本さやかさん。東京外国語大学大学院修了後、朝日新聞社写真部に勤務。その後、水中写真家中村征夫さんに師事。東京を拠点にフリーの写真家としての経歴を持つ。2003(平成15)年からJCII、他の写真講座で講師、米国 Farmani GroupによるIPA (International Photography Awards) など数多のコンテストの審査員を務めるほか、個展も多数。
池本さんは「写真はプリントしてみて初めて完成品になる。暗室作業は化学の実験のようで単純に面白くて楽しい。でも独学で始めようとすると大変で、暗室作業がどんなものであるのか、ほとんどの方が知らないと思うので、気軽にできる体験と取っ掛かりになる講座を開く」と話す。
「黒白写真は実際にある光景のようであって、現実に存在するのではない世界であるというところが不思議な感覚で魅力的。フィルムでの撮影は、デジタル写真と違ってすぐに結果を見ることができないが、その分見た時に客観的になれる。暗室作業をすると、一つのコマの印画紙への露光を何度もテストしながらいつの間にか、その画面にじっくり向き合う作業になる。特に黒白写真は実際に目で見たものとは違うので、撮影者が生み出す世界。どの場面を、どんな機材で、どのタイミングやアングルで『世界』にするのか全て撮影者の選択なので、その人の内面、人そのものが現れ出る。『この人はこんな光景が好きなのだな』『この人はこれに興味があるのだな』などと見えるのが写真の本当の魅力」とも。
開講日は2月5日・19日と3月5日・19日。基本は2回コースの講座で、いずれか一日のみの受講も可能。受講料は1万3,000円ほかで、定員は6人。詳しくはホームページで確認できる。