千代田区観光協会(千代田区九段南1)主催の「さくらまつり」が今年も新型コロナウイルスの影響で中止となった。
同イベントは1954(昭和29)年4月に初めて開催。写真コンクールや植木祭り、史跡巡りなどの催物を千代田区と千代田区観光協会の共催で毎年行い、区民をはじめ多くの観光客に親しまれてきた。
東京の桜名所の一つともされる千鳥ヶ淵近辺で開催する同イベント。例年は千鳥ヶ淵緑道のライトアップや区営千鳥ヶ淵ボート場の夜間延長営業に加え、直近の開催時に区内回遊施策として千鳥ヶ淵を中心とするルートの巡回バスを運行するなどして、期間中、計100万人以上の花見客を迎えていた。
しかし新型コロウイルスの影響で、昨年より2年連続でイベントの中止を余儀なくされた。千代田観光協会の長町英太朗さんは「千鳥ヶ淵緑道のライトアップや、千鳥ヶ淵ボート場の夜間延長営業は行わない。区内地域の団体等による関連イベントも中止となった。そのため、花見に訪れる方は例年よりも大幅に減り、周辺地域への経済的な影響も少なくない」と話す。
イベント中止の一方、同協会は千鳥ヶ淵緑道のボート場付近にライブカメラを設置し、ユーチューブで24時間視聴できるオンライン花見を配信。リアルタイムでのコメントを可能にし、新しい花見のスタイルを提案する。
長町さんは「新型コロナウイルスの影響により2年連続で中止となってしまったが、今は一人一人が我慢して感染を拡大させないよう心掛けていくことが必要。オンライン花見やキャンペーンなどで、千鳥ヶ淵の桜を少しでも感じていただければ。次回開催時には、これまで以上に良い形で『千代田のさくらまつり』を実施できればと考えているので、みんなで乗り越えていきましょう」と呼び掛ける。