銅版画家の櫻田祐理さんの作品が現在、アグネスホテル東京(新宿区神楽坂2、TEL 03‐3267‐5505)のティーラウンジに展示されている。
日本版画協会準会員でもある櫻田さんは多摩美術大学卒業後、版画家として活動を開始。植物の力強い生命力をベースに、さまざまな命の形を再構築した作品を制作。今回の展示では、日本版画協会版画展で入選した作品も展示している。
櫻田さんは「銅版画は、銅版を力強く削って刷り、生命力を現すような生き生きとした線が特徴。個性豊かな形を想像しながら、一つの命を作り出すような気持ちで制作している。ギャラリー以外での展示は初めてで、敢えて白黒の作品のみの展示にした。華やかなティーラウンジとのコントラストが新鮮で、きれいな空間へ仕上がった。まだまだ油断はならない状況だが、少し休憩するような気持ちで気軽に足を運んで、作品を楽しんでもらえれば」と来店を呼び掛ける。
新型コロナウイルスの影響で、海外でのグループ展や日本での個展も開けなくなり、日常が変わっていくのを実感したという櫻田さんだが、「今だからこそ自分に何ができるかを考える」と言う。「作品や芸術に対する自身の姿勢から、動き続けることの大切さと生み出す力の強さを感じて、少しでも何か考えていただけるきっかけになれば」と話す。
同ホテルでは9月7日、ティーラウンジの営業を再開した。営業時間は12時~18時30分。展示は10月31日まで。