法政大学(千代田区富士見2)は3月24日、九段下の日本武道館で行った学位授与式の中で「震災で中止となった入学式」を実施した。
東日本大震災が発生した2011年度入学の学生が卒業する同式典。学部生、院生、通信教育など含め、7003人が卒業を迎えた。
式典冒頭、司会進行役を務める経営学部経営戦略学科4年の平松修造さんは、2011年の入学式で新入生代表を務めるはずだった平方広史さんに代わり、入学の辞を朗読。スクリーンには入学当時のガイダンスの様子や、同校の学生による被災地でのボランティア活動の様子などが映し出された。
2011年4月、同校は参加者の安全を考え、入学式の実施を断念。授業開始も1カ月遅らせるなど、さまざまな対応に追われた。田中優子総長は「その特別な思い出と共に巣立っていくことで、2011年3月11日を、忘れないでほしい」という思いから、あらためて入学式を実施することにしたという。
式典で答辞を務めた三宅裕可里さんは、「式典は『区切り』という感覚だったため、当時は入学式が中止となって本当に残念だった。今回あらためて『入学の辞』を朗読してもらったことで、正式に入学と卒業を迎えられた気がする」と話した。