原材料高騰で「値上げ」相次ぐ中、デニーズは「値下げ」戦略

22品23アイテムの価格を値下げした「デニーズ」

22品23アイテムの価格を値下げした「デニーズ」

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 世界的な原材料高騰を受けて食料品など様々な分野で「値上げ」が相次ぐ中、ファミリーレストラン「デニーズ」は9月11日より、定番メニューを中心に22品23アイテムを「値下げ」した。

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 「デニーズ」は、レストランやファストフード事業を展開するセブン&アイ・フードシステムズ(千代田区二番町)のレストラン事業の中心的なブランドで、現在全国約550店舗を展開する。これまでにも食材の質を上げ価格の据え置きや、増量などの手法での「値ごろ感」や「手ごろ感」を追求してきたが、今回は「今あるものをリーズナブルに」との戦略から定番メニューの値下げを行い、より鮮明に「値ごろ感」を打ち出した。

 他のファミリーレストランと比較し店内調理の工程数が多い「デニーズ」はこれまで、提供する料理の質への追及から、継続して新規メニュー開発や厨房設備への投資を行ってきたが、昨年から続く原材料高騰の影響により食料品などの価格が軒並み上昇。外食支出の減少への懸念もあり、「今年は投資を控え、来店客へ還元するかたちに」と同社執行役員の山瀬さん。日々「値上げ」の報道が行われる中で異例の「値下げ」戦略に各種メディアからは、「このタイミングを狙っていたのでは?」との質問も多々あったという。

 同社商品部の水村さんは「季節に合わせたメニューを提供するように、今回も来店客のニーズや外部環境に柔軟に対応したというだけのこと。もっと外食を楽しんでもらいたいと思い値段の見直しを行った」と説明する。

 「デニーズ」は、1990年代にブームとなった「ナタデココ」「ティラミス」「パンナコッタ」などをいち早く提供し、ブームの発信源となったことでも知られる。現在はファミリーレストランのメニューとしては珍しいフォアグラやトリュフを使用したメニューを提供しており、新たな食材も積極的に取り入れている。水村さんは「リーズナブルな価格で本格的な料理や食材の初めての体験が出来る場として、今後も『食の情報発信』を使命としていきたい」と話す。

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