靖国神社(千代田区九段北3)は2月28日、毎年恒例の「さくらまつり」期間中の外苑での露店出店と花見の酒宴をしばらく中止することをホームページで発表した。
東京地方の桜(ソメイヨシノ)開花発表の標本木にもなっている「靖国の桜」が咲く時期に開催される「さくらまつり」。ぼんぼりが飾り付けられた外苑参道には約200の露店が軒を並べ、毎年30万人を超す参拝者と花見客でにぎわいを見せる。
今回の中止は、昨年着工した「靖国神社御創立150年記念事業」の一つである外苑整備工事によるもの。現在、工事対象区域には防護壁が設置され、九段中等教育学校側の境内入り口を閉鎖、「慰霊の泉」や「常陸丸殉難者慰霊碑」など、慰霊碑への立ち寄りができない状態となっている。
工事では、日本人の慰霊の心に触れる空間の創作と本殿への御参拝を誘導する整備計画「いざないプロジェクト」として、樹木の列植と遊歩道の設置などが行われる予定。2019年までに、参拝者用駐車場の全面整備と外苑全域の電気・水道などのインフラ整備を予定している。