東京しごとセンター(千代田区飯田橋3)講堂で3月17日、東日本大震災のチャリティー企画として震災バイオリンの演奏と映画「ハンナのかばん」の上映会が開催される。主催はNPO法人「ホロコースト教育資料センター(愛称Kokoro)」(新宿区)。
同作品は、2000年にアウシュヴィッツ博物館から同団体が借り受けたかばんをきっかけに、ホロコーストで命を奪われた少女・ハンナの生き延びた兄・ジョージと日本の子どもたちが出会う感動の実話。2009年にカナダで映画化され、日本での撮影には同団体のスタッフやボランティア活動を行っていた子どもたちも参加した。
上映前には、震災で被災した陸前高田の流木で作られたバイオリンを使った2曲を演奏。演奏する阿部彩織さんは、医師を志す東京医科歯科大の3年生。プロのバイオリニストではないが、13年前に同団体が借り受けたハンナのかばんを見た子どもたちの中の一人で、少しながら映画にも出演している。
「震災ヴァイオリン」はバイオリンドクターの中澤宗幸さんが制作。演奏を通じた犠牲者の追悼と震災を風化させずに世代を超えて語り継いでいくことを目的に、「ヴァイオリンプロジェクト『千の音色でつなぐ絆』命をつなぐ木魂(こだま)の会」を立ち上げ、国内外のバイオリニストによってリレー演奏されている。
「震災から2年の節目を迎え、被災地への思いを新たにしたいと願い企画した」と同NPO代表の石岡史子さん。「過去を忘れず傷ついた人や命を大切にする心を育む温かい時間にしたい。映画はこの日限りの上映なのでご家族で、ぜひご参加いただければ」と来場を呼び掛ける。
開催時間は13時~15時15分。定員は200人で、小学校高学年以上。参加費は、高校生以下=500円、大学生=1,000円、一般前売り=2,500円、一般当日=3,000円。収益は「命をつなぐ木魂の会」による被災地の子どもたちコンサートを送る活動と「トモノテ」による石巻市雄勝町の復興支援活動に寄付される。