東京理科大学(新宿区神楽坂1)は7月1日、工学部第二部建築学科・辻本誠教授の研究成果であるドライミスト装置を宮城県南三陸町「南三陸さんさん商店街」に設置する。
同商店街は今年2月、南三陸町志津川地区にオープンした仮設商店街。復興を担う地元の事業者30店が軒を連ね、週末には特設ステージでさまざまな催しが開かれている。ドライミストの設置は、商店街の継続的なにぎわいを保つため、夏季に想定される省熱環境改善対策として有効であること、太陽電池と低エネルギーで利用可能なドライミストの組み合わせが町の電力供給に負担をかけることなく復興支援に参加できることから、商店街の協力の下実現した。
都会のヒートアイランド化を緩和するために研究・開発した噴霧装置「ドライミスト装置」は、わずかなエネルギーで微小水滴を噴霧し、気化熱で気温を下げるシステム。2005年の「愛・地球博」に導入されて以来、現在、六本木ヒルズや東京ミッドタウン、新丸ビルなど、全国各地で利用されている。
今回の設置場所は、テーブルや椅子を配置し、買い物客の休憩や飲食物を持ち込めるイートインスペースとして利用されている商店街の中の「寄り合い所」。ミスト設置の条件である半屋外で、広さも十分にあるため多くの人の利用が見込まれる。140ワットの消費電力で、クーラー7~8台分の効果が得られるという。
設置期間は9月中旬まで。7月8日には、同大理数教育研究センター長で数学者の秋本仁さんによる地元住民向けの講演も予定している。