セブン-イレブン・ジャパン(千代田区二番町)が今春、秋田県に初出店することを明らかにしたのは昨年11月のこと。これで国内の未出店県は7つとなるが、これらの地域の今後について同社広報部に話を聞いた。
2012年度(今年3月~来年2月)の出店予定数は国内だけで1350店。閉店もあるため、実数として増加する数ではないが、それでも大きな数字といえる。
セブン-イレブンは、すでに全都道府県に進出を果たしたローソンやファミリーマートとは違い、出店に関して「ドミナント戦略」をとっている。ドミナントのもともとの意味は「優位、支配」。主にチェーン展開する店舗の出店戦略の一つで、限定したエリアに集中して出店することで、その地域のシェアを上げることを目的にしている。各地域の市場は有限であり、売り上げには限度がある。綿密な計算により出店計画を定め、「パイの食い合い」に挑むというスタイルだ。単店出店と比較し、商品の配送コストを抑える意味でもドミナント戦略は有効だ。
「独占や囲い込みのようなイメージをもってしまうが、実情はそうではない」と同社広報部の清水さんは言う。「弁当や総菜などの専用工場を持っているが、おいしいものをいち早く届けるということを考えると、運べる範囲が決まってしまう」と話す。
そして、コンビニの飽和状態を危惧する意見には、こう語る。「お客さまのニーズを考えると、決して飽和状態ではないと思う。スーパーや小売店がない場所での必要性や、公的料金の支払いなど地域の拠点としての役割を担っているのが現状。品ぞろえやサービスを見直すなど、その地域でのニーズを考えてやるべきことはたくさんある」
青森県、香川県、愛媛県、徳島県、高知県、鳥取県、沖縄県――現在、セブン-イレブンがない7県だ。これらの県への具体的な出店予定については明らかにしないが、「ニーズがあれば検討する。後々出店ということもあると思う」と語った。