市谷の南スペイン料理店「el chiringuito(エル チリンギート)」(新宿区市谷八幡町、TEL 03-5579-2858)が4月30日で10周年を迎えた。店名はスペイン語で「海の家」を意味する。
オーナーシェフの新倉孝之輔さんが現地で学んだ、スペイン・アンダルシア地方の料理を中心に提供する同店。新倉さんは、「人の温かさやおいしい料理に触れ、スペインに魅了された。気づけばスペイン料理の道に入り20年以上たつ」と振り返る。コロナ禍は、テイクアウト販売やオンライン物販など、新たな取り組みも多く行ったという。10周年を迎え、「地域をはじめ、多くの方に支えられて今がある。特にコロナ禍は苦労したが、乗り越えられたのも皆さんのおかげ。感謝の気持ちでいっぱい」と話す。
メニューは、スペイン・マラガでよく食べられているという「イワシのエスペト(炭火串焼き)」(720円)など、南スペインのイワシ料理を売りにするほか、アンダルシア産の「イベリコ豚生ハム」(1,550円)、「ミックスパエージャ」(3,360円)なども用意する。
日本生ハム協会認定の「生ハムエキスパート資格」も持つ新倉さん。生ハムを均一に切り、風味の良さを伝える知識も併せ持つという。「スペインでは、アンダルシア州政府が認定する生ハム技術者資格『コルタドール』が広く知られている。カットの仕方で味が変わる生ハムだからこそ重要な資格で、日本では『生ハムエキスパート資格』が、それに当たる。熟成度合いや品質の管理から、風味を生かして切る技術まで幅広い知識を身に付けた。生ハムの奥深さをお客さまに伝えられれば」と話す。
料理の勉強のため、定期的にスペインに渡航するという。「スペイン料理は、シンプルな調理方法で食材の良さを生かす。現地の料理トレンドや、新しい食材の組み合わせなど、スペインならではの手法を都度学び、良いものを日本でも提供したい。これからも歩みを止めず、お客さまに喜んでもらうために進化し続けたい」と意気込む。
営業時間は、ランチ=11時30分~14時(火曜・水曜・木曜のみ)、ディナー=17時~23時。日曜定休。