麹町のTOKYO FMホール(千代田区麹町1)で2月10日、「TOKYO FM 『FEEL UKRAINE~心の懸け橋~』」が開催された。主催はTOKYO FMと日本ウクライナ友好協会。
ロシアによるウクライナ侵攻が始まってから間もなく1年がたつ。現在日本に避難してきているウクライナ人は2000人を超えた。同イベントは、ウクライナ避難民の現状を知り、日本とウクライナのつながりを強めると同時に、ウクライナ人同士の交流を深める目的を持つ。チケット代や会場募金はウクライナ友好協会に寄付し、避難民の支援に活用されるという。
会場ではウクライナ人が作ったクッキーやアクセサリー、子どもたちが描いた絵の販売のほか、伝統的なお守り「モタンカ人形」を作るワークショップも開かれた。
ステージイベントでは、TOKYO FMのパーソナリティーで、シンガー・ソングライターでもあるLOVE(ラブ)さんと、日本に20年以上住むという日本ウクライナ友好協会のオクサーナ・ピスクノーワさんが司会を務めた。イベント序盤では、避難民の子どもがバイオリンでウクライナ国歌を演奏し、参加者が聴き入った。そのほか、ウクライナのデザイナーによるファッションショー、ウクライナ人ダンスユニット「マリーナ&セサール」によるダンスパフォーマンス、シンガー・ソングライターの世武裕子(せぶひろこ)さんやLOVEさん、ウクライナ人歌手でバンドゥーラ奏者のナターシャ・グジーさんの音楽ライブなどが披露された。
トークショーでは、ウクライナから避難してきた人たちが「日本の生活で文化の違いに驚いた」と話し、同時に感謝の気持ちを来場者に伝えた。ウクライナ避難民が日本に慣れるためのサポートなどを行っているというオクサーナさんは「ウクライナ人は、手を差し伸べてくださる日本の方たちに少しでも恩返しをしたいという思いが強い。このイベントでウクライナらしいおもてなしができていればうれしい」と話す。
LOVEさんは「ダンスや音楽は純粋に楽しむためのものだけでなく、さまざまなメッセージを含んでいる。文化的背景を互いに知り合うことで、受け取るものもあるのでは。このイベントが生活の中でウクライナを身近に感じられるきっかけになれれば」と期待を込める。