曙橋に「SAKANA BOOKS(サカナブックス)」(新宿区愛住町、TEL 03-3355-6401)がオープンして2カ月が過ぎた。オープン日は7月2日。創刊57年の釣り専門紙「週刊つりニュース」の発行や、ウェブマガジン「TSURINEWS」の運営を手がける「週刊つりニュース」(同)が東京本社1階に開設した。
無料で一般公開している「釣り文化資料館」前の約4坪のスペースを活用し、「魚に特化した本屋」として展開する「サカナブックス」。魚や水生生物についての書籍約1000冊を取りそろえ、雑貨や水産加工品も販売する。書籍は図鑑から、魚が登場する絵本や文芸、新書、フリーペーパーまで幅広い。全国の水族館を応援する活動も行っており、店内に約100カ所の水族館や関連施設のパンフレットやチラシなども展示・配布している。
同プロジェクトを展開するに当たり、同社の船津紘秋社長は「魚食文化やそれにひもづく地域の伝統文化の衰退、水産資源の減少、生物多様性の喪失など、いま『魚』をはじめとした水生生物が置かれている状況は重要な局面を迎えている。釣りの対象としてはもちろん、食べる・飼う・見る・描くなど魚には多様な魅力があり、自分たちの生活に密接に関わっている。今こそ釣り人も一般消費者も、もっと『魚』や『魚がいる環境』に興味・関心を持つべきではないか、興味・関心を広げるための『場』が必要なのではないかと考えたことがきっかけ」と話す。
サカナブックスについて、船津社長は「店の準備で選書をするときに、魚に関するいろいろな切り口の本が世の中に存在していることを改めて感じた。店を訪れる人は皆さん笑顔で帰っているので、魚に特化した本屋をやっていくことに意義があると感じた。会社として店を持つことは初めての経験で、リアルな場所を持つことのメリットを実感している」という。
「魚をはじめとした水生生物への興味・関心を広げるだけでなく、日本の魚食文化などの伝統、また資源管理や生物多様性といった観点での知見を集積する場を目指す。魚好きな人も、そうでもない人でも、ぜひ訪れてほしい。魚と一口に言っても食事や飼育、水族館や釣りなど、さまざまな楽しみ方があるので、新たな気付きを与えられる場所になれれば。フラッと立ち寄って、魚の面白さや魅力について知ってもらえたらうれしい」と意気込を見せる。
営業時間は12時~17時30分。木曜・金曜定休。