神楽坂文化振興倶楽部(神楽坂おかみさん会)が「第1回 神楽坂ストリート川柳」を企画し、7月15日、入賞作品の結果を毘沙門天外壁の掲示板、神楽坂ブック倶楽部のツイッター、神楽坂おかみさん会のフェイスブックで発表した。
神楽坂おかみさん会代表の飯田公子さんは「コロナ禍でイベントができないこともあり、長い時間を家で過ごすことが多い中で、老若男女を問わず楽しんでいただけるものはないかと話し合ううちに生まれたアイデア」と企画のきっかけを話す。
同企画は「神楽坂ストリート」というテーマで川柳を読んでもらうこと。「あえてストリートという言葉を使ったのは、ストリートピアノに代表されるように、ここを通った人は誰でも参加できること、参加して良かったと思えることを願ったことから。神楽坂という江戸から変わらぬ町割の中で、路地を含めて道はとても重要な役割を担っている。道は変わらないが、ストリートは現在の神楽坂通りのモダンな一面をうまく表している言葉だと思った。俳句ではなく川柳を選んだのは、神楽坂には川柳に含まれる遊び心があると思ったから。神楽坂に今も息づく『粋』は、実は遊び心に潜んでいる」と飯田さん。
ポスターにある猫のイラストは、神楽坂在住12年でグラフィックデザイナー・イラストレーターの海老沢えみさんが描いた。「私自身、散歩などしていて、兵庫横丁などで猫に出合うことが度々あった。近寄っても逃げない猫もいたりして、街に住む一員といった感じ。そんな猫がいる景色は神楽坂らしいと思った」と海老沢さんはポスターに込めた思いを話す。
新潮社「波」編集長の楠瀬啓之さんは「にぎやかで華も実もある神楽坂だが、一方ではお互いの顔や気持ちが手にとるように見える、こぢんまりとして古風な、でも自由闊達(かったつ)な気分が横溢(おういつ)する街でもある。そんな両面が現れた川柳がたくさん集まった」と講評する。
神楽坂おかみさん会賞
「横文字も漢字も仮名も似合う街」(こう爺さん)
「似てるよねパリっぽいよね(知らんけど)」(マルケスタマルケーノさん)
「先どうぞ袖摺坂もディスタンス」(yoshyさん)
「『カレ元気?』恋バナ咲かす古希ふたり」(日野貞明さん)
「マンションの名につけたがる神楽坂」(来人さん)
神楽坂ブック倶楽部賞
「あの人に会える気がする石畳」(氏名不明)
ハルメク賞
「行列はテレビみた人神楽坂」(織姫さん)
特別賞
「かぐらざかぼくの大きなれいぞうこ」(はし口よしひで 八才さん)
順不同。