新宿歴史博物館(新宿区三栄町)は現在、開館30周年記念特別展「新宿御苑 皇室庭園の時代」を行っている。
世界中から年間250万人の来苑者がある新宿御苑は、明治時代から今日までさまざまな歴史を積み重ねてきた。江戸時代に信州高藤藩内藤家の下屋敷だった同エリアは、明治時代には牧畜園芸の改良を目的とした「内藤新宿試験場」となり、その後宮内庁管轄の「植物御苑」を経て、1906(明治39)年に西洋式庭園への大改修を行い「新宿御苑」と改称された。
この地では観桜会や観菊会などの皇室行事が行われたほか、国産栽培イチゴ第1号やマスクメロンも生まれ、園内には鴨(かも)場や動物園まであった。戦後は1949(昭和24)年、国民公園として一般に開放され現在に至っている。
本展では宮内庁宮内公文書館所蔵の資料や新宿歴史博物館所蔵の資料から、新宿御苑の明治以降の歴史を紹介している。関連イベントとして記念講演会「内藤新宿試験場と明治前期の勧農政策」(11月3日)、「新宿御苑と明治神宮 「苑」がとりもつ不思議な縁」(12月15日)などが行われる。
開館時間は9時30分~17時30分(入館は17時まで)。観覧料(常設展観覧券付き)は一般=300円、小中学生=100円。来年2月3日まで(11月12日、26日、12月10日、25日~1月3日、15日、28日は休館)。