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バター不足、クリスマスケーキへの影響は?-街の洋菓子店を調査

雪印乳業の主力商品の一つ「雪印 北海道バター」

雪印乳業の主力商品の一つ「雪印 北海道バター」

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 雪印乳業(新宿区本塩町)は12月1日、「バター品薄」状態について同社サイトで公表した。

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 同社は、現在市場においてバターが品薄になっている要因として、国内酪農家の減少で原料の生乳生産の落ち込みに歯止めがかからないことを挙げる。一方、飲用牛乳消費は堅調に推移していることから、国内のバターの需給バランスが構造的に崩れてきていると説明した。

 慢性的になりつつあるバター不足に加え、クリスマスを前にさらにバターの需要を高める街の洋菓子店の対応はさまざま。飯田橋に本部を置く銀座コージーコーナー(新宿揚場町)広報担当の重原さおりさんは「弊社では、半年ほど前に原材料の仕入れを決定している。今年のクリスマスのバター不足についても、かねてより予測し対策を取ってきたので現時点では問題ない」と話す。

 神楽坂のデザート専門パティスリー「アトリエコータ」(神楽坂6)オーナーパティシエの吉岡浩太さんは「2011年の東日本大震災のときにも、バターをはじめとした材料の入手が難しくなった。それ以降、個人的な流通ルートを開拓し備えていたため今回も対応できている」という。

 今後もバター不足が続いた場合の洋菓子店への影響については、「一般的には商品の値上げも検討の視野に入ってくると思うが、弊社商品の売りはボリュームがあってリーズナブルであること。値上げはできるだけ避けたい」と重原さん。「流通ルートが確保できていない規模の小さな洋菓子店では、バター以外のもので代用して作れる商品はやむを得ずそうしていくところも出てくるかもしれない」と吉岡さんも懸念を示す。

 農林水産省は2014年度、約1万トンのバターの追加輸入を決定。同社を含む大手乳業メーカー4社は12月のバター供給量を11月より3割増やし対応している。

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