四谷三丁目駅近くにある中華料理店「温州軒（おんしゅうけん）」（新宿区荒木町、TEL 090-5750-7362）が10月10日ごろの営業をもって閉店する。

店主の友部政義さん

　1965（昭和40）年創業の同店は、2006年7月に移転した文化放送（港区）の旧本社社屋の前で営業してきた。2代目店主の友部政義さんは、高校を卒業した18歳から店に立ち続けており、文化放送の移転や店舗兼住居の老朽化などさまざまな理由から新しい場所で営業しようと2005年3月末に一時閉店。2007年5月7日に現在の場所で営業を再開した。

　現在の店舗は2.8坪ほどで、席数はカウンター6席。広さのあった旧店舗では「五目そば」「うま煮そば」「かたやきそば」など数十種類のメニューを提供していたというが、スペースの問題から現在は支那そば（550円）、チャーシューメン（800円）、もやしそば（700円）、タンメン（700円）、みそラーメン（750円）、チャーハン（700円）、カレーライス（700円）、ライス（150円）、ギョーザ（焼・水、各400円）、ビール（缶、350円）に限って提供している。

　閉店の理由を「体力の限界を感じた」と友部さん。「朝7時から仕込みを始めて閉店後の片付けが終わるのが夜10時ごろ。体にガタがきている」と話し、体の具合が悪くなる前にと閉店を決めた。「（店を）やめると決めたらその先のことを考えるだけ」と話し、「妻と2人で元気に暮らしていければ。店に縛られて旅行にもなかなか行けなかったから旅行にでも行きたい」とも。

　これまで同店には、文化放送の社員をはじめ、みのもんたさんや吉田照美さん、北島三郎さん、郷ひろみさん、氷川きよしさんなど数多くの著名人も訪れており、文化放送本社移転の際には、一緒に移転する話も出たほど。文化放送の社員や文化放送で番組をもつ大竹まことさんなど、今回の閉店の話を聞きつけて訪れる客もいるという。

　営業時間は、平日＝11時30分～15時、18時～21時、土曜＝11時30分～18時。日曜・祝日定休。