JR東日本は7月2日、列車とホームの隙間が一部大きくなっている中央線飯田橋駅ホームの抜本的な安全対策に着手すると発表した。
現在の飯田橋駅のホームは急曲線区間にあるため、列車とホームの隙間が最大で33センチと大きくなっている。これまでは転落検知マットや注意喚起の回転灯、放送設備などを設置し利用客の転落対策を実施してきたが、年間10件ほどの転落事故が起きていた。
今回の安全対策では、ホームを西側の直線区間に約200メートル移設し、大きな隙間を抜本的に解消。ホームを移設し線路を直線化することで、隙間の大きさは15センチ程度になる見込みだという。ホーム移設を計画する範囲の一部は史跡区域(江戸城外濠跡)に指定されているため、第三者の有識者で構成する委員会を開催し、文化財に配慮した計画となるよう検討を進める。
ホーム移設に合わせ、西口駅舎の建て替えも実施。駅舎建て替えに合わせた小規模店舗の計画や千代田区と連携した駅前広場(約1000平方メートル)を整備する。本年度より基本設計に着手し、早期の工事着手を目指す。
千代田区ではこれまで、地域住民や利用者のより安全で快適な駅利用を可能とするため、JR東日本と共に問題解決に向けた他方面との調整を図ってきた。今回、「ホームの安全対策」「西口駅舎改良・駅前広場の整備」が前進することになり、今後はこれらの実現に向け引き続き連携を図るという。