9月1日の「防災の日」を前に、千代田区飯田橋にあるアイガーデンエアで8月26日、8つの大規模事業所と地元町会による防災訓練が行われた。
日本貨物鉄道、大和ハウス工業、ホテルメトロポリタンエドモント、KDDI、大塚商会、日建設計、日立マクセル、三井不動産飯田橋オフィスの8つの事業所が集まるアイガーデン地区は、平日昼間の勤務者が約2万人に上る。2004年に「災害時相互応援協定」を締結し、区や消防、警察の後援、協力の下、2006年より毎年、防災週間を前に訓練を行っている。
6回目となる今年は、3月に発生した東日本大震災における震度5強の経験を踏まえ、「今こそ高めよう 地域、事業所の自主防災力を」をテーマに、東京に首都直下地震が発生した想定で、救助・救出、負傷者搬送、応急救護など、実践的な防災力を高める自らが考えて行動する発災対応型の訓練を実施。約2時間の訓練に、事業所と町会、一般を含め約600人が参加した。
会場では、地震によって転倒したオフィス家具の下敷きになった人の救出・搬送・応急救護、地震によって発生した火災の消火などの訓練をはじめ、起震車・はしご車体験、非常食の試食などを実施。福島原発第3号炉の消火に当たったものと同型の屈折放水塔車など東京消防庁のハイパーレスキュー車両や東日本大震災での活動の様子を紹介するパネルも展示された。
幹事会社の大和ハウス工業取締役の能登義春さんは「震災で地域のコミュニティーのあり方、地域と企業のあり方を考えさせられた。地域とより一層の密接な連携を行い、防災の意識を高めたい」、石川雅己千代田区長は「事業所の方が隣組、顔見知りになることでいざという時に助け合える。それがこの訓練に期待すること」、加藤秀之麹町消防署長は「人とのつながりが一番大事」と、それぞれあいさつした。