プレスリリース

日鉄興和不動産ライフデザイン総研、「単身世帯の幸福度に影響を与える因子」を調査 単身世帯の幸福度に関わる6つの「QOSL因子」を特定

リリース発行企業:日鉄興和不動産株式会社

情報提供:

 日鉄興和不動産株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:三輪 正浩)が運営するライフデザイン総研のプロジェクト「+ONE LIFE LAB(プラスワンライフラボ)」は、首都圏在住の20歳以上の男女1,600名を対象に、「単身世帯の幸福度に影響を与える因子」に関する調査を実施しました。

■ 調査結果のポイント
 今回の調査では、6カテゴリ36項目の候補の中から「単身世帯の幸福度に影響を与える因子」を、後述の分析方法を用いて抽出いたしました。その結果、以下6つの因子が、単身世帯の幸福度に影響を与えている可能性が高い、「QOSL因子」であることが明らかになりました。なお、QOSLは「Quality of Single Life」の略で、単身世帯の人生や生活の質を表すキーワードとして+ONE LIFE LABが定義・作成しました。




■ 調査実施の背景
 +ONE LIFE LABは、あらゆる年代・立場・形態の単身世帯の方々が、幸福な暮らしを享受できる社会の実現を目指しています。現在の日本では、「ひとり暮らしの世帯」の割合が増加を続けており、2050年には44%*1になるという試算もあります。単身世帯に対する価値観は時代とともに移り変わり、ポジティブに捉える見方が浸透しつつありますが、単身世帯だからこそ受ける不利益や非単身世帯とのギャップも存在します。これまで+ONE LIFE LABでは、単身世帯の生活の質を高め、人生を幸せに歩める人を増やしていくことをミッションとし、単身世帯の「暮らしの価値観」の変化を捉えるため、住まいの志向性およびライフスタイルに関する定点調査を毎年行ってまいりました。コロナ禍を経て価値観やライフスタイルが変化しつつある今、単身世帯のインサイトを正確に把握し、QOSL(Quality of Single Life)を高めるために必要な要素が何かを明らかにするため、本調査を実施しました。
*1:国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計(全国推計)-令和6(2024)年推計-」

■ 調査結果の詳細
- 単身世帯の幸福度 / 世帯構成による幸福度の違い

 現在の幸福度を0~10ポイントの11段階で聞いたところ、単身世帯は平均5.49ポイント、非単身世帯は平均6.41ポイントとなり、平均スコアで見ると、単身世帯が非単身世帯を約1ポイント下回る結果となりました。年代別に見ると、どの年代においても単身世帯は非単身世帯を下回っているものの、20代は単身世帯が平均6.02ポイント、非単身世帯が平均6.70ポイントで、最もスコア差が小さい結果になりました(スコア差0.68ポイント)。また、どの年代においても、6ポイントを基準に両側に山(=キャズム)が存在しており、幸福度が低い層と高い層が分かれる傾向にありますが、特に30代・40代は低い側のゾーン(5ポイント未満)が拡大しています。







- 単身世帯の幸福度に影響を与える「QOSL因子」

 今回の調査では、6カテゴリ36項目の候補の中から「単身世帯の幸福度に影響を与える因子(QOSL因子)」を、以下の分析方法を用いて抽出いたしました。

・分析方法
 6カテゴリ36項目の候補の中で、幸福度への影響が少ないと考えられる因子(図の下側にマッピングされる因子)は除いた上で、以下4パターンのいずれかに該当する因子を、単身世帯の幸福度に影響を与える因子(=QOSL因子)として抽出

1. 【他因子より不足】  単身世帯にとって重要度*2が高いが、他因子と比較して満足度*3が低い因子
2. 【非単身世帯より不足】単身世帯にとって重要度が高いが、非単身世帯と比較して満足度が低い因子
3. 【現在の幸福の源泉】 他因子や非単身世帯と比較して、単身世帯の満足度が高い因子
4. 【幸福度への影響大】 非単身世帯と比べて幸福度への影響が特に大きい因子

*2 重要度:幸福度との相関係数を標準化したスコア
*3 満足度:各因子の平均値を標準化したスコア




- 本調査で明らかになった【6つのQOSL因子】





1. 【幸福度には影響するが、現状の満足度が低い因子】
 単身世帯にとって重要度が高い一方、他因子と比較して満足度が低い因子として「賃金因子」が挙げられます。共働きである場合は世帯収入が一定増加する非単身世帯と異なり、収入源は基本的に自分一人の賃金であるケースが多い単身世帯にとって、「賃金因子」は幸福度に関わる重要な要素であり、かつ不足している要素であると言えます。






2. 【非単身世帯と比較して、現状の満足度が低い因子】
 単身世帯にとって重要度が高い一方、非単身世帯と比較して満足度が低い因子として「安心因子」「食生活因子」が挙げられます。「困った時に頼れる存在がいる(安心因子)」は男性のスコアが特に低くなっています。また「食生活に満足しているか(食生活因子)」は、単身世帯にとって非常に重要なテーマです。“どうにもならない問題”ではなく、単身世帯自身の変化や周囲のサポート、企業が提供するサービス等によって、幸福度向上に寄与できる要素と言えるでしょう。






3. 【非単身世帯と比較して、現状の満足度が高い因子】
 他因子や非単身世帯と比較して単身世帯の満足度が高い因子として、「居住地選択の裁量因子」が挙げられます。住む場所というテーマにおいて、自由に選択できているという点は単身世帯ならではの特徴であり、幸福度にも好影響を及ぼしています。






4. 【非単身世帯と比較して、幸福度への影響が大きい因子】
 非単身世帯と比べて幸福度への影響が大きい因子として、「財産管理因子」「仕事・働き方の裁量因子」が挙げられます。前者は男性、後者は女性の方が顕著に幸福度への影響が見られます。お金の管理という側面、仕事や働き方という側面で「自分の満足いくような形で・多くの選択肢から選べる状態であるかどうか」が、単身世帯の幸福度を考える上で重要なテーマであると言えます。









- 年代別に見る「QOSL因子」

 単身世帯全体の幸福度に影響を与えている6つのQOSL因子以外に、各年代の幸福度に影響を与えているQOSL因子はあるか、年代ごとに特徴的な傾向があるかを確認したところ、以下の通りとなりました。

20代特有のQOSL因子
 非単身世帯より満足度が低い因子として「家族関係因子」と「住宅条件因子」が挙がっています。大学進学や社会人になるタイミングなどで、親元を離れて単身生活をスタートしたり、人付き合いが段々と減少したりすることが多いと考えられる20代にとって、家族や地元の友人との関係は重要でありながらも、現状は満足度が低いという結果になりました。非単身世帯との比較では、男性よりも女性の方が顕著なスコア差が出ています。また、30代以上と比較すると賃金が少ないケースが多いであろう20代は、自分の理想とする場所や条件で家を選ぶことができていない現状も見て取れます。これは、男性に特に顕著な傾向です。

30代特有のQOSL因子
 単身世帯の満足度が高く、特に男性に顕著な傾向が出ているのが「お金の裁量因子」です。キャリアのフェーズ的にある程度の収入を得る人が増えると考えられる30代。お金や資産を自由に使うことができているという実感が、幸福度の向上につながっているのだと推察できます。また「自由因子」も満足度が高く、他の世代では見られない要素です。時間を比較的自由に使えているという点が、幸福度に良い影響をもたらしています。一方、満足度が低い因子として、特に女性に顕著な傾向が出ているのが「経済状況因子」です。現状の収入の多寡に関わらず、単身世帯だからこそ経済面で不安を感じる場合が多いと考えられます。

40代特有のQOSL因子
 他因子より特に満足度が低い因子として、唯一40代でのみ顕著な傾向が出ているのが「人との出会い因子」です。プライベートでの新たな出会いの機会があるかどうかが、幸福度に影響を与える要素になっています。また、非単身世帯と比べて幸福度への影響が大きい「学びの機会因子」からは、仕事や私生活の成熟に伴って、新たな刺激を求める姿勢が窺えます。

50代以上特有のQOSL因子
 非単身世帯より満足度が低い因子として挙がっているのが、「仕事のやりがい因子」「身体的健康因子」です。日々の仕事に喜びや楽しさを感じられているかどうかは、50代以上の幸福度を考える上で重要なテーマだと言えますが、現状は不足している傾向にあります。また、身体の健康という面では、特に男性において単身世帯と非単身世帯の間で満足度の差が大きい傾向にあります。




- 単身世帯の「工夫」「悩み」「求めるサービス・サポート」

 最後に、「単身での暮らしを充実させるための工夫」「単身での暮らしにおける悩みや困りごと」「単身での暮らしを充実させるために求めるサービスやサポート」の3つについて、フリーアンサーで回答してもらったところ、以下のような結果になりました。

- 単身での暮らしを充実させるための工夫

 現在の幸福度について6点~10点と回答した408名に絞って回答を見ると、「好きだ」「規則正しい」「メリハリ」「趣味」「インテリア」「ルーティン」などのワードが頻出しています。具体的には、以下のような回答が見られました。




- 単身での暮らしにおける悩みや困りごと

 現在の幸福度について0点~5点と回答した392名に絞って回答を見ると、「物価高」「孤独死」「急病」「お金がない」「頼れる」「老後」などのワードが頻出しています。具体的には、以下のような回答が見られました。




- 単身での暮らしを充実させるために求めるサービスやサポート

 抽出条件は設けず、単身世帯全体の800名の回答を見たところ、「郵便物」「防犯」「家事代行」「話し相手」「病気」などのワードが頻出しています。具体的には、以下のような回答が見られました。




■ 調査概要
調査主体:日鉄興和不動産株式会社
調査対象:1都3県(東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県)に在住の20歳以上の男女(学生除く)
     1,600名
調査方法:インターネット調査
調査期間:2024年10月25日~10月28日

■ ライフデザイン総研
設立  :2021年7月12日
URL  :https://sumai.nskre.co.jp/lab
活動内容:ライフデザイン総研はLife Design!発想の
     シンクタンクです。暮らしのさまざまなシーンを
     生活者視点で見つめ、研究し、人生を豊かにする
     「新しい価値」を生み出すことを目的としています。
     シングルライフに特化し調査研究を行う
     「+ONE LIFE LAB」、最新の技術やテクノロジーを
     他企業と共創する「Co-Creation BASE」などの
     プロジェクトが推進されています。
運営  :日鉄興和不動産株式会社






■ +ONE LIFE LAB(プラスワンライフラボ)
設立  :2017年5月31日
URL  :https://plusonelife-lab.jp/
活動内容:+ONE LIFE LABは、あらゆる年代・立場・形態の
     単身世帯の方々が、幸福な暮らしを享受できる社会の
     実現を目指しています。単身世帯の暮らしの価値観や
     インサイトの変化を把握するための調査研究や、
     「じぶん」という「個」を大切にするシングルライフ
     コミュニティである+ONE ambassador(プラスワン
     アンバサダー)の活動を通じて、単身世帯のQOSL
     (Quality of Single Life)を高めてまいります。
運営  :日鉄興和不動産株式会社




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