飯田橋の青森アンテナショップ「あおもり北彩館 東京店」(千代田区富士見2)が、飯田橋周辺エリアの再開発事業に伴い2025年7月31日で閉店する。
同店は2002(平成14)年、県会館として青森が所有する建物の1階にオープン。青森の県産品や土産品など約1000点の商品を販売するほか、観光情報の発信拠点としての役割も担ってきた。昨年度は延べ8万7000人余の来店者数、約3億3,000万円の売り上げを記録した。
今後の動きについて青森県は、学識経験者や観光・物産振興団体などで構成する検討委員会を設け、来年3月ごろに首都圏の新たな拠点整備について方向性をまとめるという。宮下宗一郎青森県知事は「22年前と大きく変化した市場状況を踏まえて、物産や観光だけではなく移住などの政策課題も解決できる拠点を作っていきたい」とコメントする。
県から店の運営を委託されている「あおもり北彩館」(青森県青森市)は、青森県物産振興協会の収益部門が独立した会社。同社の棟方祐悦(ゆうえつ)さんは「昔はアンテナショップという言葉もなかったが、青森の魅力を東京で伝えていきたいという気持ちで店を営業していた。オープン当初から現在まで在籍するスタッフもおり、店に込める思いもひとしお」と話す。
店には既に、多くの利用客から閉店に関しての問い合わせがあるという。棟方さんは「寂しい気持ちもあるが、20年以上の間、地域の皆さまをはじめ多くの方に慣れ親しんでいただいてきたことに感謝の気持ちでいっぱい。今後のことはまだお伝えできない状態だが、残りの営業期間も、ぜひ利用してもらえれば」と話す。
営業時間は10時~19時。