武蔵野美術大学の学生が手がけたファッションショー「ランチタイムはおわらない」が7月1日、「MUJIcom(ムジコム)武蔵野美術大学市ヶ谷キャンパス」(新宿区市谷田町)で開催された。
主催は、同大の空間演出デザイン学科ライアンゼミと、クリエーティブイノベーション学科を中心とした有志学生で組織・運営する「Mto(エムト)」。会場となった同キャンパスは2019年にオープン。同大大の理念に良品計画(文京区)が共感したことで出店に至った。
学生からの要望があり実現したというファッションショーのテーマは「衣食住の循環」。良品計画の循環プロジェクト「ReMUJI(リムジ)」に伴い全国の無印良品から回収された衣服を、学生たちが自らタマネギの皮や麦茶の殻などで染め直して作った服を披露した。会場には多くの学生や地域住民が足を運び、ショーを見守った。
ショーを鑑賞した同ゼミのパトリック・ライアン教授は「ショーは学生主体で作り込んだもの。私自身も本番まで見ないようにしていたが、仕上がりに感動した。この活動は、ファッションである一方、アンチファッションでもある。その訴えを市谷の街で行うことで、多くの人に問いかけられたのでは」と話す。
空間演出デザイン学科副ゼミ長の平田爽一郎さんは、「SDGsやサステナブルという言葉はよく耳にするようになったが、本質的な面に目を向ける必要がある。実際に捨てるはずだったものをリメークして価値を見出す行為を通じて、より『循環』について向き合う必要があると感じた」とプロジェクトを振り返った。