「囲炉裏(いろり)焼肉 祇園」(新宿区神楽坂3、TEL 050-1720-1890)がオープンして、6月9日で1カ月がたった。店舗面積は1階と2階合わせて200平方メートル、席数は50席。経営は、コンサルティング事業などを展開するヴィンテージ・インターナショナル(港区)。
仕事柄、自身もさまざまな飲食店を利用することが多いという道下元太郎社長は「飲食事業も展開した経験もある。日本全国で訪れて良かったと感じた店の要素も詰め込み、日本の伝統文化を伝えられる店を作りたかった」と話す。料理長には、帝国ホテルなだ万などで経験を積んだ加藤道久さんを迎えた。
店舗は、築80年あまりの古民家を改装して使ったという2階建て。器などに用いられる「金継ぎ」をイメージして建物の傷みの修復には金色にあえて塗るなど、「歴史ある古民家の良さを最大限に伝えられるように工夫した」という。店内には古典帯や風景画などを額装して飾り、「日本らしさ」を体現する店作りを行う。
囲炉裏焼き肉のコースは、「鴨川」(5,800円)、「清水」(7,800円)、「嵐山」(9,800円)、「祇園」(1万2,800円)、「特別祇園」(3万円)。そのほかアラカルトも用意する。国産黒毛和牛や神戸牛などを、竹串を使ってテーブルと一体となったいろりで仕上げるという。炭は岩手の「黒炭」を使う。「黒炭ははぜにくく、遠赤外線効果で素材のうまみを引き出す」とも。
アルコール類は、「山崎」「響」「白州」などの日本のウイスキーも多く取りそろえる。「希少価値が年々上がるジャパニーズウイスキーなど、日本の良さを感じられるアルコールを用意する。店内にはウイスキーを並べて額装するなど、目で見ても迫力があり楽しいはず。日本ワインは、飛行機のビジネスクラスやファーストクラスで提供されているものを選んでいる。料理も含め、可能な限り手の届きやすい価格にすることで、良いものを多くの方に試してもらいたい」とも。
器は、益子焼を取り扱う「陶庫(とうこ)」(栃木県益子町)に特注した。「伝統的な益子焼は素朴な風合いが魅力的。普段目にすることのないような大きい皿なども用意する。ぬくもりがある手触りや迫力を体感してもらえれば」とも。
インバウンド客の利用も見込んでいるという道下社長。「特別な日の利用はもちろん、普段使いもできる店にしたい。海外の方も含めて、いろりを使った日本の食文化をはじめ、店全体で伝統文化を伝えていきたい」と意気込む。
営業時間は17時~23時(土曜は22時30分まで)。日曜定休。