法政大学(千代田区)の長岡研究室主催「カフェゼミ」が5月25日、DNPプラザ(新宿区市谷田町1)で開催された。
2011(平成23)年に始まった同ゼミは、一般も参加できるオープンゼミ。「創造的コラボレーションのデザイン」をテーマに掲げる長岡研究室が街なかで展開し、大学や企業の垣根を越えた創造的な対話の場づくりにチャレンジするという。コロナ禍を経て今回、4年ぶりに約50人が参加する公開授業として企画した。
長岡健教授は「大学はややもすると閉ざされた環境になり、社会と乖離してしまう可能性もある。街の中で、開かれた学びの場をつくりたいと考えたのがきっかけで、当活動を始めた。参加者全員で場を築き、一人一人が積極的にコミュニケーションすることを大切に、新たな可能性を探求する」と話す。
ゼミをサポートする書店「丸善雄松堂」(中央区)の福島雅孝さんは「新しい学びのコンテンツを、自社の観点からだけではなく、さまざまな角度から共創したいと考える。ゼミ内では、テーマに関連した書籍を学生に紹介するなどして、私たちならではの関わり方を模索する」と話す。
今回のゼミテーマは「父親が子育てに参加できる社会について、素人と専門家が一緒に考える」。Daddy Support 協会の平野翔大さんと中西信介さんがゲスト登壇し、父親と子育ての関係性を考察。「バリキャリ」「イクメン」などのキーワードから、社会に根付いた固定概念を捉え直し、「父親側にも育児支援や正しい知識を得るためのサポートが必要」と訴えた。
対話セッションでは、参加した学生や社会人が意見交換を行い、互いの考えに耳を傾ける姿勢も見受けられた。同大生でゼミ長の前田野乃花さんは「社会人の参加者も多く、学生生活では体験できない交流の場に携わることができて感慨深い。ダイバーシティ社会の実現に向けて、立場の異なる人たちとさまざまなテーマをもとに対話することが、互いに何かを得るきっかけになると思う」と話す。
次回は6月29日開催予定。渋谷ヒカリエ(渋谷区)にて。