麹町のTOKYO FM(千代田区麹町1)で3月4日、地域住民と周辺を歩く防災イベントが開催された。同イベントは地域住民と防災の意識を高める取り組み。主催はTOKYOFMと千代田区。
地域に根差した活動に力を入れている同局。「千代田区と共に何か取り組みができれば」と考えていたという。ラジオは災害時に重要な役割を担うことから、防災減災の観点から立案した。
当日は、事前に申し込んだ区内在住・在学の小学生とその保護者10人が参加。防災の専門家である東京大学大学院の廣井悠教授を招き、TOKYO FMの本社周辺を歩いて緊急時の災害対策を学んだ。
実際の道で想定される危険性と身を守る方法を解説したほか、広域エリアに位置する東郷元帥記念公園や九段小学校を訪れ、災害時応急給水ステーション・避難所に関しての情報も共有。番町学園通り付近には土砂災害警戒区域に指定されたエリアがあるなど、参加者が知らなかったこともあったという。地震だけでなく豪雨などの際の危険性も訴えるなど、さまざまな角度から災害対策を伝えた。
参加者からは「エリアによっては土砂崩れが起こりやすいとされていて、都心でも起こり得ることなのだと感じた」「街歩きを通して、防災を意識する必要があることをリアリティーをもって学べた」「避難所に移動する時は広い道を選んで動くと初めて知った」などの声が聞かれた。
TOKYO FM報道情報センターの後藤亮介さん、手島千尋さんはそれぞれ、「街歩きの後、子どもたちが学んだことをあふれるように話してくれたのが印象的だった。家族や友達にも共有して、生かしていってほしい」「身近な街を通して防災を学ぶ良い機会だったのでは。子どもたちが積極的に疑問に思ったことを質問している姿に、このワークショップの意義を感じる事ができた」と振り返った。
当日の模様は3月11日・18日、同局の番組「防災フロントライン」(8時25分~)でも放送する。「日頃から災害に備えることの大切さについて、節目となる日に伝えることにも意義がある」と訴える。