1999(平成11)年から続くイベント「神楽坂まち飛びフェスタ2022」が10月15日から、毘沙門天善国寺を中心に神楽坂エリア一帯で開催される。「まちに飛びだした美術館」としてスタートした同イベントは、伝統芸能やコンサート、展示、体験講座など多彩な文化企画が約半月の期間に集まる。
24回目となる同イベントだが、コロナ禍により参加企画数減少などの影響を受けたものの、今年は参加団体も戻ってきたという。最終日の「坂にお絵描き」は、神楽坂通りの上から下までロール紙を敷き誰でも絵を描くことができる恒例企画。3年ぶりにロール紙を本来の700メートルに戻し、絵本作家のあきやまかぜさぶろうさんによるお絵描き教室も復活する。
2年前に始めたという、オンラインでのお絵描き参加企画「坂にお絵貼り」は、描いた絵をSNSやメールで送ると、実行委員がプリントし当日坂に貼る。昨年からは応募作品1枚につき500円が協賛団体・企業から新宿区の子ども食堂へ寄付され取り組みも始めた。今後、さらに規模を拡大していきたいという。実行委員会の藤野順子さんは「老若男女問わず参加できるので、オンラインで気軽に応募したり、当日足を運んでもらえたりすれば。特に子どもたちには思いきり絵筆を走らせる経験をしてもらい、アートや文化に興味を持つきっかけになればうれしい。子ども食堂への寄付も、文化的な活動を通して広げていきたい。未来を担う子どもたちを、私たちなりに応援する」と笑顔で話す。
神楽坂まち飛びフェスタ実行委員会の日置圭子委員長は「コロナ禍でイベント自体の存続が危ぶまれる中、できることをできる限りという思いで規模縮小ながら継続してきた。3年ぶりにフルバージョン開催にようやく戻りつつあることをうれしく思う一方、困難な時期を経験したからこそ、以前よりイベントに対する思いや結束力が強くなったことなど得られたものもある。こういう時代だからこそ交流を大切にし、神楽坂の魅力を伝え続けたい」と話す。
期間中はそのほか、神楽坂を拠点に活動した新劇女優、松井須磨子の養家子孫による「顕彰講演」を毘沙門天書院で行うなど、30以上の多彩な文化企画が開催される。
「神楽坂まち飛びフェスタ」は11月3日まで。「坂にお絵描き/お絵貼り」の開催は11月3日12時~15時30分。