取り壊しが決定した千代田区麹町のオフィスビルで9月1日、美術家・大山康太郎さんと写真家・嶋本丈士さんが主宰するアートプロジェクト「BCTION(ビクション)」の展示会が始まる。
1965(昭和40)年竣工で、耐震構造上の問題から今年10月以降の取り壊しが決定している同オフィスビル。取り壊し予定のビルをアート空間として再利用することにより、アーティストが社会に積極的に関与できるチャンスの拡大や表現の場の増加、アートマーケットの拡大を狙う。プロジェクト名は、一つのアクション「A」が次のアクション「B」を促すような、クリエーティブが連鎖して膨らんでいく様子を「Action」×「Action」=「Bction」と表現した。
イベントにはさまざまなジャンルの若手アーティスト70組以上が参加。作品にはビルの壁や床をはじめ、天井やドア、パーティションなど、残されたあらゆるものを使い、思い思いの芸術を表現。アーティストと賛同者たちがDIY精神の下、ビル1棟全9フロアを「美術館」として再利用する。
同ビルは展示終了後、10月1日の物件引き渡しまでの期間、広告撮影やイベントなどで利用する予定。同プロジェクトとしての今後について、大山さんは「ここで起こった出来事を映像や写真などでネット上にアーカイブし、海外でも見られるようにする。そこから言葉を引き出し、日本のアートシーンを認知してもらうことが目標。10年、20年のプランとしては、東南アジアのエリアでも新しいアートマーケットを作っていきたい」と意気込む。
開催時間は12時~20時。入場無料だが、公式サイトからの事前予約が必要。事前予約の際に開催場所の詳細を伝える。9月15日まで。