新宿区は2月14日、都営大江戸線・牛込柳町近くの幸國寺(新宿区原町2)にある2本のイチョウを景観重要樹木に指定した。
幸國寺のイチョウは、1987(昭和62)年に新宿区指定文化財(天然記念物)に指定された地域の歴史・文化を象徴する樹木。推定樹齢は500年、幹の周囲は5メートル、高さは約16メートルにもなる区内有数の大イチョウで、毎年秋には周囲の景観を鮮やかに彩り、地域住民らに親しまれている。
参道には、10月~4月ごろの寒い時期に花をつける1本の「四季桜(お会式桜)」があり、イチョウが色づく秋には黄金色の大イチョウと同居する希少な景色を目の当たりにすることができる。
新宿区は2008年7月に都心区初の景観行政団体となり、「変化に富んだ地形をいかす」「まちの記憶をいかす」「水とみどりをいかす」を基本方針とした景観まちづくり計画を策定。歴史性・文化性等を備える地域のシンボル的存在で景観上の特徴があり、良好な景観形成に重要な役割を果たしていると認められる樹木を、景観法に基づく「景観重要樹木」に指定することを定めている。
2本のイチョウは新宿区特別保護樹木にも指定されており、新宿区では樹木を健康に保つため、根の保護や剪定(せんてい)などに必要な支援を行っていくという。