市ケ谷の「コミュニケーションプラザ ドットDNP」(新宿区市谷田町1)イベントゾーンで12月13日、平野啓一郎さんやロバート・キャンベルさんなど現代文学を代表する作家や日本文学研究者らで形成された「飯田橋文学会」の始動に伴う記者会見が行われた。
飯田橋文学会は、平野さんをはじめとする作家と研究者、翻訳者らによって自然発生的に始まった会。「同時代でありながらあまりにも交流がなかった」という文学者たちが、昨年夏ごろから2カ月に1度のペースで集まり、小説の朗読会や研究発表、ミニ講義などを行うなどして交流を重ねてきた。
会の名前は集まる場所が、たまたま飯田橋かいわいだったことから。現在のメンバーは、平野さん、キャンベルさんのほか、作家の柴崎友香さん、「共喰い」で芥川賞を受賞した田中慎弥さん、綿谷りささん、翻訳家のコリーヌ・アトランさん、辛島デイヴィットさんら17人。これまでメンバー同士クローズドで行ってきた会だが「せっかくなので読者へ向けてイベントやメルマガなどで発信していけるのでは」と今回ホームページを開設した。
ホームページでは、メンバーの創作物や最新ニュース、イベント告知、メールマガジン(有料)の情報などを発信。平野さんは「今後、海外の日本文学を研究している人たちも巻き込みたい。あそこに行けば作家に会えるという場所になれれば」と意欲を見せる。
この日の会見には、平野さん、田中慎弥さん、柴崎友香さん、キャンベルさんが出席。会の発足についての説明などを行った後、100人ほどの来場者を前にホームページ公開記念トークイベント「飯田橋文学会の文学LIVE!vol.1」を開いた。