「37年つぎ足しカレー」、ラスト3日間は理科大OBらが全国から来店

「トレド」を切り盛りしてきたオーナーの矢留さん夫妻。37年の営業を終えた店の前で。

「トレド」を切り盛りしてきたオーナーの矢留さん夫妻。37年の営業を終えた店の前で。

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 神楽坂・小栗横丁で営業を続ける1972年創業の老舗喫茶店「トレド」(新宿区神楽坂2、TEL 03-3268-5531)が7月4日、現店舗での最後の営業を終えた。

37年8カ月で幕を下ろしたつぎ足しカレー

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 一時閉店を前に同店は、7月2日~4日の3日間限定で、創業当時の価格で提供する「カレー」(200円)をはじめとする人気メニュー数種類を200~400円の特別価格で提供することを決めていたが、営業最終週となる6月29日以降多くの客が詰めかけ、「37年つぎ足しカレー」は早々に売り切れる事態が連日続いた。

 店の前には行列ができるようになり「毎日1時間くらいしか寝ないで仕込みをした」というオーナーの矢留さん。「理科大の卒業生が全国から集まってくれた。30年前のお客さんや普段から来てくれていた常連さんも並んで食べにきてくれた」と話し、店には矢留さんの息子や娘も手伝いに来てくれたという。

 最終3日間は1日の提供数量も限定し、創業の「1972年」に合わせた「72食」に10食前後を加えた数を用意する予定だったが、結果、7月2日に130食、同3日に200食、最終日には行列に並んでいるより多くの人たちに食べてもらえるよう200円で提供できる「カレー」や「親子丼」にメニューを絞り、240食を提供した。

 最後の「つぎ足しカレー」を食べたのは常連客の男性と女性の若いカップル。営業が終了すると、店にいた客や取材に訪れていたメディアのスタッフらとビールで乾杯した。「みんなに『寂しいですね』とよく言われるが、一つの区切りだと思っているから悲観的にはならない。10坪もないような小さな店が閉店するのに、こんなかたちで営業を終えられるとは。最後に花火が打ち上げられた」と矢留さんはホッとした様子で振り返る。

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