まち歩き型イマーシブシアター「-記憶の質屋-ほの灯(あか)り堂」のプレ公演が2月5日~8日、神楽坂エリアで行われた。主催はロングランプランニングとNO MORE(ノーモア)。企画・制作は、イマーシブ作品を手がけるムケイチョウコク。
同作は、観客が実際にまちを歩きながら物語に参加する体験型演劇。GPS連動の音声ARアプリ「Locatone(ロケトーン)」を使い、指定スポットに近づくと自動再生される音声や音楽を手がかりにストーリーを進めていく。
イマーシブシアターの手法を選んだ理由については、「物語を通して土地の歴史や人物像に触れることで、神楽坂への親しみを自然と深めてもらう狙いがある」という。ロングランプランニング事業本部イノベーション戦略担当の篠田美幸さんは「通常のツアーガイドとは異なる形でまちの魅力を体感してほしかった。物語と共に幅広い世代が神楽坂をさらに楽しめるきっかけになればうれしい」と話す。従来の演劇ファンに限らず、謎解きなどの体験型イベントに関心を持つ層にもアプローチできる可能性を感じたことも背景にあるという。
物語の起点は、人の記憶を専門に扱う質屋「ほの灯り堂」。公演内容は昼と夜で構成が異なる。昼は芸者と、その芸者を歌手にしたいという作曲家、芸者のパトロンである旦那の関係を描き、夜は文豪の師匠とまな弟子、その妻の葛藤を描く。いずれも神楽坂にゆかりのある実在人物をモチーフにしており、参加者は寺社や石畳の路地などを巡りながら登場人物と対話。投げかけた言葉や選択によって展開や結末が変化する。
上演時間は約90分、定員は各回20人。本公演は4月末から5月初旬を予定する。篠田さんは「神楽坂の歴史や空気感そのものが舞台。物語を通してまちの魅力を体感してほしい」と観覧を呼びかける。
本公演のチケット料金は5,200円。スケジュールはホームページで知らせる。