和カフェダイニング「紀乃家 茶寮」(千代田区九段南2、TEL 03-6910-0170)が12月16日、九段下にオープンした。同店は、創業60年の歴史を持つ川辺食品(豊島区)が経営する初の飲食業態。
同社はわさび漬けの製造から始まり、その後、梅干し事業に注力。創業当時は関東で知られていなかった「紀州南高梅」を使った梅干しを広く展開したという。現在では梅干しと漬物の専門店として、都内の百貨店に同名の物販店を展開する。飲食事業への進出は、「日本の食文化をより身近に感じてもらいたい」という思いから。
担当の吉田真さんは「物販だけでは実現できなかった、『体験』に力を入れることで生産者と消費者をつなぐ役割を担いたい。梅などの魅力を伝え、多くの方にファンになってもらえれば、生産地の地域活性化や生産者への支援にもつながる。特に減少傾向である梅の生産者を少しでも増やし、日本の伝統的な農業や食文化を守ることにも寄与できれば」と意気込む。 今後は梅酒作りなどのワークショップの実施も視野に入れるという。
靖国通り沿いに位置する店の面積は35坪。席数は37席。大きな窓からは靖国神社の木々が見える。窓に職人による組子細工を施したり、天井に梅のシルエットを取り入れたりと、店内随所に「日本らしさ」を取り入れた。
ランチメニューは「おつけもの御膳」(1,200円)、「牛すきやき鍋御膳」(1,800円)など。カフェメニューは、「お菓子のような梅干し」(385円)、「本日の和菓子・洋菓子」(各880円)など。ドリンクは、「梅ソーダ」(550円)、「ホット和光茶」(880円)などのほか、アルコール類も取りそろえる。「周辺の老舗店と連携したメニューも用意する。今後はさらにメニューの種類を増やしていければ。ゆっくりとした時間が流れる店内で、改めて日本の食文化を体験してもらいたい」とも。
併設する物販スペースでは、梅干しや店で提供する漬物・茶なども販売する。「年始のギフトなど、贈答品の対応も行う。店舗限定の商品などもあり、試食も可能なのでぜひ気軽に立ち寄っていただければ」と来店を促す。
営業時間は10時~18時(ランチ=11時~14時、カフェ=14時~18時)。日曜・祝日定休。