防衛省(新宿区市谷本村町)は6月6日、「市ヶ谷台ツアー」15周年を記念し休日特別公開を行った。
ガイドの案内の下、東京ドーム約6個分の広さ23ヘクタールの同省敷地を2時間30分かけて歩いて回る同ツアー。陸軍士官学校の一部を移築・復元し、極東国際軍事裁判(東京裁判)の法廷としても使用された「市ヶ谷記念館」では、市ヶ谷台の歩みをまとめたビデオ上映や、皇室が使用する部屋の見学などを行った。
「厚生棟」の売店では防衛省や自衛隊関連の限定グッズの購入が可能で、珍しいグッズや土産類をたくさん買い込む参加者の姿も。この日は午前の部限定ながら、陸上自衛隊で使用されていた多用途ヘリ「UH-1」(ひよどり)のある「屋外ヘリ展示場」も公開。操縦席に座わり参加者同士で記念撮影を行うなど盛り上がりを見せた。
特に注目を集めたスポットは、旧陸軍大臣室のドアの刀傷。1970(昭和45)年、同敷地内で作家・三島由紀夫が籠城し自衛隊決起を呼び掛けた後に切腹自殺した、いわゆる「三島事件」の際に残されたものだ。駆け付けた幕僚らとの応戦でできたその刀傷に、参加者は次々と触れていた。
休日開催ということで参加した千葉市の小学生親子は「以前から気になっていたので、参加できてうれしい」「ヘリコプターの操縦席に座れて楽しかった」と笑顔で話した。
同ツアーは2000年6月1日より開催。通常は平日のみのだが、年に2回ほど休日に特別公開している。今回の記念ツアーは5月11日の8時30分から電話予約を受け付けたが、開始早々から回線が混み合い、1時間ほどで午前・午後の部各100人の定員に達した。