市ケ谷での「三島事件」から40年-刀傷の残るドアを見学できるツアーも

三島由紀夫による刀傷が今でも残る「市ヶ谷記念館」2階にある旧陸軍大臣室のドア

三島由紀夫による刀傷が今でも残る「市ヶ谷記念館」2階にある旧陸軍大臣室のドア

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 11月25日、1970(昭和45)年に自衛隊市ケ谷駐屯地(現・防衛省本庁、新宿区市谷本村町)で起きた「三島事件」から40年を迎える。

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 三島事件とは、作家・三島由紀夫が憲法改正のため、自衛隊の決起を呼びかけた後に切腹自殺した事件。陸上自衛隊東部方面総監部(市ヶ谷駐屯地)の総監室を訪れ、総監の益田兼利陸将を人質にとって籠城(ろうじょう)。自衛官と詰めかけたマスコミ陣に向けてバルコニーで演説を行い、その後自殺した。

 防衛省内には、1934(昭和9)年に陸軍士官学校の大講堂として建設、極東国際軍事裁判(東京裁判)の法廷としても使用され、歴史的建築物として移築、復元された「市ヶ谷記念館」があり、その2階に事件の現場となった旧陸軍大臣室(前陸自東方総監室)がある。ドアには、籠城した際に駆け付けた幕僚らと応戦した時の三島由紀夫による刀傷が今でも残されている。

 この刀傷は、同省関連施設を見学する「市ヶ谷台ツアー」に参加すれば見ることができ、見学コースの中でも人気スポットの一つに。刀傷に触れたり、写真に収めたりする参加者も多いという。

 普段立ち入ることのできない省内を見学することができる同ツアーは今年で10周年を迎え、これまで約26万人が参加した。参加には事前予約が必要で、申し込みは防衛省大臣官房広報課記念館係(TEL 03-3268-311103-5366-3111、内線21904)で受け付けている。

 没後40年の今年、三島率いる学生グループ「楯の会」元会員・村上建夫さんによる「君たちには分からない 『楯の會』で見た三島由紀夫」(新潮社)、「昭和45年11月25日-三島由紀夫自決、日本が受けた衝撃」(幻冬舎、中川右介著)、「『憂国忌』の四十年」(並木書房、三島由紀夫研究会編)など、関連本の刊行も相次いでいる。

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