飯田橋の名画座「ギンレイホール」(新宿区神楽坂2)は8月7日、開館40周年特別企画として神楽坂映画祭「名画座主義で行こう」を開催すると発表した。主催は神楽坂映画祭実行委員会。
80年代半ばからのレンタルビデオ店の普及、90年代後半からのシネコン時代、2010年以降の映画のデジタル化という時代と環境の推移の中、あらためて名画座の果たす役割について考える映画祭を開催しようと始まった今回の企画。城西国際大学メディア学部教授でキネマ旬報元編集長の掛尾良夫さんを実行委員長に迎え、ギンレイホール館主の加藤忠さん、同支配人の久保田芳未さんら5人の委員で準備を進めている。
開催期間は9月27日~10月10日。同ホールを会場に、1970年代の邦画・洋画を中心に26作品の映画の上映とトークショーを開催するほか、別会場での名画座写真展や野外上映会を予定している。
上映作品は、「私が棄てた女」(1969年、浦山桐郎監督)、「八月の濡れた砂」(1971年、藤田敏八監督)、「仁義の墓場」(1975年、深作欣二監督)、「太陽を盗んだ男」(1979年、長谷川和彦監督)、「タクシードライバー」(1976年、マーティン・スコセッシ監督)、「シェルブールの雨傘」(1964年、ジャック・ドゥミ監督)など。
このほか、神楽坂にゆかりのある女優・加賀まりこさんの出演作「乾いた花」の上映とトークショー、映画プロデューサーであった父・加賀四郎さん制作の「鋪道の囁き」(1934年)の特別上映、自主映画時代に同ホールでアルバイトをしていた森田芳光監督のデビュー作「の・ようなもの」とデビューのきっかけになったPFF(ぴあ・フィルム・フェスティバル)入選の「ライブイン・茅ヶ崎」の特別上映と森田監督夫人で映画プロデューサー・三沢和子さんのトークショーなども予定。
上映スケジュールや料金、前売り開始日などの詳細は、決まり次第ホームページで順次発表する。